niconicoゴー宣ネット道場チャンネル最新動画
徒然草気まま読み#35
「子を持つべし」
配信しました!
チャンネル会員無料。
会員以外の方は100円+税で
ご覧いただけます。
今回扱うのは、第百四十二段。
一部を紹介すると…
心なしと見ゆる者も、よき一言はいふ者なり。ある荒夷の恐ろしげなるが、傍(かたへ)にあひて、「御子はおはすや」と問ひしに、「一人も持ち侍らず」と答へしかば、「さては、物のあはれは知り給はじ。情なき御心にぞものし給ふらむと、いと恐ろし。子故にこそ、萬の哀れは思ひ知らるれ」と言ひたりし、さもありぬべき事なり。恩愛(おんあい)の道ならでは、かゝるものの心に慈悲ありなむや。孝養の心なき者も、子持ちてこそ親の志は思ひ知るなれ。
確か以前に扱った段では、「絶対に子供なんて持つものじゃない」と言ってたはずだが? と思った人もいるかもしれないが、これは矛盾というわけではない。兼好はケース・バイ・ケースでその時の心の赴くように書いていて、この人の場合は、子を持ってこそ人の心がわかったのだと言っているのである。
そして話はさらに続き、恥ずべきことをする人、罪を犯す人を無下に非難するのはよくない、そうするには、その人なりの事情があることを考えるべきだと説き、些細なことから話がどんどん深くなっていく。これぞ徒然草の醍醐味。