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小林よしのり
2019.8.20 10:28日々の出来事

昭和天皇の思いと吉田総理の判断

昭和天皇の国家の安全保障に関する考えがあまりにも
常識に適っていてよく分かる。

国民による国家にとって、国軍を持って国民を守る
のは、当然のことだ。
むしろ国軍を拒否する者なんか無責任に過ぎない。

だから再軍備は必要であり、憲法改正も必要と昭和天皇
は考えた。当然のことだ。

ただし、戦時中の軍閥の復活は望まぬし、暴走しない
軍隊でなければならないと昭和天皇は考えておられた。

そして吉田総理が、占領期に作られた憲法の条文のまま、
軍事力を捨てた状態を許容し、憲法改正しないというの
なら、米軍に守ってもらうしかないと昭和天皇が考える
のも、まったくの当然。
非の打ち所のない判断である。

ただし「敗戦責任」を猛烈に感じておられて、「反省」
を国民に向かって表明し、「退位」をしたいと望まれた
ことは、気持ちとしては痛いほどわかるが、「天皇の
戦争責任」を追及する共産党や連合国の世論が消えて
いない状態では、難しかっただろう。

敗戦責任は東条英機ら、東京裁判で有罪とされた者
たちが負ってくれた。
天皇を守るために死んでくれた。
そして国民は敗戦後でも、圧倒的に天皇を支持していた。
天皇と共に立ち直りたいという心情があった。
だから天皇の退位を阻止した吉田総理の判断は正解
だったように思う。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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