映画「ちゃわんやのはなしー四百年の旅人ー」を観てきた。
秀吉の朝鮮出兵の際に日本につれてこられた陶工たち。
彼らはそれぞれの地で窯業を営み、それらは今も
日本の伝統工芸品として広く私たちの生活に根付いている。
映画の中心となっているのは、薩摩焼の第15代沈壽官。
釜の火を絶やさす400年、連綿と続いてきた歴史の中に
労苦あり、葛藤あり、模索あり、そして次世代にゆだねる姿あり。
沈壽官窯に最初から「伝統」があったのではなく、
その絶え間ない苦しい営みの中からいつの間にか
受け継がれてきたものを私たちは伝統と呼び、
そこに名状しがたい重み感じるから
畏敬の念を抱くのではないだろうか。
映画を見終わった後、美智子さまの伝統にまつわるお言葉を
あらためて思い出した。
伝統と共に生きるということは,時に大変なことでもありますが,
伝統があるために,国や社会や家が,どれだけ力強く,
豊かになれているかということに気付かされることがあります。
一方で型のみで残った伝統が,社会の進展を阻んだり,
伝統という名の下で,古い慣習が人々を苦しめていることもあり,
この言葉が安易に使われることは好ましく思いません。
また,伝統には表に現れる型と,内に秘められた心の部分とがあり,
その二つが共に継承されていることも,
片方だけで伝わってきていることもあると思います。
WBCで活躍した日本の選手たちは,
鎧も着ず,
切腹したり,
ゴザルとか言っては
おられなかったけれど,どの選手も,
やはりどこか「さむらい」的で,
美しい強さをもって戦っておりました
。
天皇皇后両陛下御結婚満50年に際して(平成21年)
今の天皇ご一家もまた、誰よりも深く
皇室のあり方について思いをめぐらせているにちがいない。
そしてまた、伝統が性別によって途切れたり壊れたりするなどと
思うはずもない。
その常識の声を上げるのは、言論の自由が保障されている
私たち国民以外にない!
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