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泉美木蘭
2025.10.7 15:21

病や老いに、牙も毒も抜かれないために

岡山はすごく暑かった。
「オドレら正気か?」は、最初よしりん先生がどのぐらいのテンションで
話すのかが気になっていたけど、はじまってみたら、
救急車の話から、シビンの話へとどんどん愉快に展開していくので、
面白かった。
個人的には、人前で「虚勢を張る」ということの重要さや、
病気をすると、人格が変わって真面目になってしまいがちという話が、
「たしかに!」と強く印象に残った。

自分の病気の話や、老化の話などをするときに、
自虐のようでありながら、一方で、
虚勢を張っておく、かっこつけるという感覚も心根に保っておかないと、
ただの愚痴に堕したり、自虐が過ぎて笑えなくなったりすると思う。
身体を壊したら元も子もないというのはあるけど、
虚勢を張る、背伸びする、いっぱいいっぱいまで食いしばる、
というような状態に身を置く気概も必要だろう。病気の話に限らず。

あと、エアロバイクで爆走しながら、
「真面目に健康に勤しんでしまってるやないかい」と
我に返る視点も失っていないところは、さすがだと思った。
別にエアロバイクがだめということではなくて、
病というショックによって、管理されるまま、推奨されるままの
過ごし方をしているうちに、牙も毒もすっかり抜けてしまうことが
あるだろうと想像した。
「健康経営」社会に飼い慣らされないヒントはこれや!

自分はこのために生きている、こういう人間なのだという矜持を
保っていなければ、復活できるのに「自分、病人なので」を理由にして、
すぐに気が抜けたり、しぼんだりしてしまうかもしれない。
コロナのように世界全体が狂って、圧倒的少数者になっても、
流されることなく仁王立ちで世の中を分析できる人間であること、
その居住まいとつながっているように感じた。

自分もどんどん高齢になっていくんだから、
気構えをしておかなきゃいけないな。
若いうちは病後の回復も早くて、未来を見通しやすいけど、
年をとればとるほど、体の不具合が重くなり、気も弱りやすくなるから、
より強く、はねのけるパワーがいると思う。

そして、いざという時にどうありたいかは、ほんとに日ごろから
自分で考えて用意しておかないとやばい。

安楽死の話は、空気が沈みがちな気がしたけど、
日本人が海外に旅立って利用するケースも出てきていて、
いずれ議論が必要になるだろうし、ライジングにまとめるかも。

 

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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