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大須賀淳
2025.11.17 09:15その他ニュース

今週は空気が変わる

この2週間程度ほど、日本における報道、言論、SNS等といった情報空間の空気が日増しにギスギスして行った期間も珍しいでしょう。

 

1990年代中期のインターネット普及より前から(むしろその時期の方が)「高度情報化社会」という語が使われて来ましたが、本来ここでの「高度」は単純な「データ量」の事ではなく、「知る」手段の深化・拡大によって、人間の幸福度や文化の促進につなげるという理想があったはずです。

 

一方で、情報通信手段のメインがスマホ&SNSとなって、飽和点近くまで達している現在、テキスト・画像・音声・動画といったデータ量は天文学的とも言えるレベルになっていますが、文字数や再生時間あたりに込められたコンテクスト(直接的な表現以外に、文脈・背景を元に受け手が読み取り、自らの思慮の中で拡大・醸成させる〝意味〟)は著しく低下しています。

 

こうした状況が「直感に訴えるものがウケる」と表現される事も多いですが、実は本当に直感的な物事ほど、受け手に対して短時間でその意味や魅力を理解させる構造を有しており、よく観察すると、極めて盤石なコンテクストの上に成立しているのがわかります。

 

言い方を変えれば、直感とは文化の共有の上に成立しているもので、文化は歴史の連続性における縦軸と、同時代性の横軸の交差点に形作られるもの。つまり、「個」の存在と同じ場所にある(文化は個の中にこそ存在する)ものと表せます。

 

「個」は関係性の中にこそ生まれるものであるため、自ずとバランスを取ろうとする力が生じます。これは、保守という態度の中におけるバランス感覚と同種のものであると、私は捉えています。

 

一方で、高市政権発足後のカオスを形成しているのは言わば「〝孤〟の集合」。発信の量は莫大でも、各々のコンテクストが希薄であるはが故に、乱れ飛ぶだけで、何の実りも生まず、「孤立」への不安によって人々の気力・活力もどんどん減退して行きます。

 

もうどーすりゃいいんじゃという状況に暗澹としてしまいますが、私が唯一の「希望」と感じているのが、本日から愛子さまがラオスを訪問される事。この関連のニュースが増えるだけでも、世間に滞留する澱んだ空気は驚くほど変化して行くはずです。

 

表現が適切かは判りませんが、天皇・皇室という存在は、日本という国における最大のコンテクストと呼ぶ事ができると思います。とりわけ、愛子さまという方から、大多数の国民が「直感」として希望、安心、幸福感を感じている中、初の外国公式訪問という公務に臨まれる姿は、現在のカオスの収束に大きく影響すると感じています。

 

宮内庁が公開している愛子さまのお写真の中でも、私が特に好きな1枚がこれ。

 

多くの「実り」を優しい眼差しで見つめるお姿は、「日本の未来もこうあってほしい」という気持ちが心の底から湧き上がって来ます。

 

「日本初の女性首相」という栄光を拝しながら、媚びとイキリで対外関係を混乱させ、国民の孤立感と不安を助長し続ける高市首相と、その背後にあるエセ保守界隈。そうした者たちが、男尊女卑への固執で、国民の心の拠り所である皇室を危機に陥れているという歪な構造が、今週はこれまでに無いほど明瞭になるのではないでしょうか。

大須賀淳

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