11月27日の参議院厚生労働委員会における、土葬墓地整備を巡る議論で、参政党・梅村みずほ参議院議員から下記の発言がありました。
「土葬を原則禁止しては」「上皇陛下も火葬が望ましいというご意向」参政・梅村みずほ議員の質問に厚労大臣の答弁は(Yahoo!ニュース)
(引用)
「上皇陛下が天皇陛下在位中、平成25年に宮内庁から出された資料では、天皇皇后両陛下のご葬儀の在り方について、御陵の簡素化という観点も含めて火葬によって行うことが望ましいという両陛下のご意向を示されている」とし、「土葬を拡大させるということは、こうした陛下のお気持ちとは真逆の発想ではないかと考えますし、国民感情を鑑みても日本国としても決してあってはならない考えだと思うが、大臣いかがか」と質問。
まず、上皇陛下が在位中に「ご自身の」(火葬を含む)葬儀や御陵の簡略化について述べられたのは、財政や自粛などトータルな観点において、国民の負荷を慮ったもの(この想いはそのまま、生前退位へとつながります)。
一方で、梅村議員の土葬原則禁止論は、戒律で土葬が禁じられているイスラム教徒への対応を含めた、民全体への規制という趣旨。天皇というお立場からご自身(およびお后)について述べられた上皇陛下のお考えとは、その背景が全く異なります。
さらに、梅村議員の様々な主張を見ると、「上皇陛下のお気持ち」を皇室関連以外のテーマで(恣意的な形で)持ち出している事に、私は大きな違和感を覚えます。
梅村議員は、「国旗損壊罪」制定推進の中心的人物でもありますが、上皇陛下は天皇在位中の2004年に開かれた園遊会にて、東京都教育委員だった棋士の米長邦雄氏の「日本中の学校で国旗を掲げ、国歌を斉唱させることが私の仕事でございます」という言に対し「やはり、強制になるということではないことが望ましい」と述べられています。
掲揚の強制と損壊ではニュアンスが違うという意見もあるでしょうが、少なくとも上皇陛下のお言葉からは、国旗の扱いについて刑罰を制定する事に肯定的な想いは読み取れません。
国旗の問題に関しては、上皇陛下の想いを鑑みる必要は全く無いのでしょうか?
また、皇位継承に関する梅村議員のスタンスは以下の通り。

典型的な「女性は良いけど女系はね」の、実体は「男系固執」である発言です。
その一方で、女性・女系天皇についての記者からの質問に対し、大きな制限のある中で、上皇陛下は下記のように回答されています。

果たして、このお言葉から「男系を絶対的に堅持」という想いが、ほんの少しでも感じられるでしょうか?
梅村議員の考えや主張は、上皇陛下のお考えや想いとは異なるものが多いようです。もちろん、国民として皇族には無い自由を享受している立場として、思想や発言の自由が梅村議員には保証されています。
しかし、大衆の排外的な感情とも絡んで非常にセンシティブなテーマとなっている土葬の議論において、「権威を利用」するような形で上皇陛下のお言葉を恣意的に(それも国会議員が!)用いる事には違和感しか感じません
これは一歩間違えば、上皇陛下のお言葉が、歪曲された形でヘイトに利用されたり、憎しみの対象にさえなりかねない。
こんな形で、ディベートの材料として「想い」を濫用するのは、少なくとも「臣民」のする事ではない。梅村議員の言に、私は強い憤りを覚えます。





















