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笹幸恵
2025.12.1 00:28日々の出来事

「海上封鎖」と「戦艦を出す」を同列に語る愚。

ABCテレビ「教えて!ニュースライブ 正義のミカタ」で、
ジャーナリストの福島香織が高市”存立危機事態”発言を絶賛していた。
【高市自民】「米国に泣きついた習近平、物凄く恥ずかしい」正義のミカタで女性専門家 TVで強烈に高市賞賛
高市首相が絶対にやってはいけないことは「発言の撤回」、
「はじめてアメリカ追従ではなく、中国忖度でない、
日本が日本の国益に立って日本の立場を日本の総理自身の言葉で
国際発信できるリーダーが誕生した。これ物凄くうれしい」

???
国際発信したのではない。
衆院予算委でうっかり口を滑らせただけではないか。
事実認識だいじょぶか?

びっくりしたのがこちら。
「台湾有事によって、2つキーワードがありますね、海上封鎖、戦艦を出す。
これが日本にとってのレッドライン。それさえしなければ日中関係は穏便に
できますよという、日本側からレッドラインを引いた。
これ今までにない日本の外交で、私はこういう外交を待ってました」

???
海上封鎖戦艦を出す。
これは全く同列には語れないことなんだが、
一緒くたにしちゃうわけ?
あまりに雑すぎない?

海上封鎖で問題になるのは、日本にとって必要な物資が
入ってこなくなる可能性があること。
これが、存立危機事態にそのまま直結するとは考えにくい
(認定要件が曖昧なので「これも存立危機事態だ!」と
強弁する人はいるかもしれないが。どちらにしても
その曖昧さのほうが問題なのだ)。

戦艦を出すに至っては噴飯モノだ。
戦艦って、いつの時代の話をしてるんですかね?
好意的に軍艦と読み替えてあげたとしても、
これが日本のレッドラインだなどと、
お花畑も甚だしい。
軍艦なんか出さずとも、侵攻はいくらでも可能だ。
ご丁寧に軍艦を出して国際社会の批判を招くようなやり方を
中国が素直にやると思うか?

戦艦出すのがレッドライン、それさえなければって、
戦艦出さなければ何をやってもいいということ。
この人、自分の言っていること、わかってるのだろうか。
そんな外交を待ち望んでたの?
というか、こんなものが外交?
正気か?

もう、こうやって深く考えもせず
イキって発言するの、やめなさいよ。
みっともない。
日本はまず自分の足元を固めるのが先でしょうに。

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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