本日の愛子さまトークでも、皇位継承問題を取り上げた海外の記事が紹介されていましたが、スペインの新聞「EL PAÍS」にも「Growing popularity of Princess Aiko reopens the debate on male imperial succession in Japan(愛子さま人気の高まりにより、日本における男系皇位継承をめぐる議論が再燃)という記事が掲載されました。
上記記事には、以前 皇位継承について学術的かつ端的に綴られた良記事 や 嚶鳴社「女帝を立つるの可否」の背景がよくわかる論文 といった記事で著作をご紹介した、大川真・中央大学文学部教授の談話が掲載されています。
元記事は購読が必要となりますが、大川先生ご本人から、記事中に掲載された内容の概要を教えて頂きました(改めて、お礼を申し上げます!)。以下に、箇条書きにまとめて記載します。
●天皇の即位は1947年制定の皇室典範で規定されており、衆参両院で単純過半数で可決されれば改正される。
●しかし、皇室に関わる法律は、日本国家にとって例外的な重みをもつため、細心の注意を払って広範な国民的合意を形成することが不可欠。
●たとえ国民の多数が改革に賛成していたとしても、その合意は有識者会議での審議、超党派の協議、そして国会の特別委員会を通じて、慎重に築き上げられなければならない。
●現在の(超保守派の高市氏を中心とする)与党連立では、大幅な改革は「ほぼ不可能」だと見ている。
●改革を実現するには、女性天皇に対してより開かれた姿勢を示してきた、立憲民主党などの中道左派野党が中心となる形での政権交代が必要。
●愛子さまの即位が、日本社会の深まりつつある社会的・政治的分断を橋渡しする「統合の力」となり得ると考える。
●女性天皇という象徴的存在の“みやび”は、差別にさらされ続ける女性たちにとって大きな励ましとなる。
こちらも、AP通信の記事同様、日本の皇位継承が抱える問題が、世界に向かって端的に伝わる内容となっています。学者としてのバランス感覚に則りつつ、大川教授の想いに基づく「温度」の感じられる談話だと、私には感じられました。
ここからは、完全に大須賀の所感です。
愛子さまの海外公務デビューを機に、世界は確実に日本の皇位継承問題へ関心を寄せています。それが、内向きな「『【〝愛国〟】』」(←ニュアンス)誇示にかまけ、国際関係の歪みを促進する「初の女性首相」の誕生と同タイミングになったのは、「皮肉」でもありつつ、ある意味ではこれ以上無いほど明瞭に日本国民の選択や決断を迫る「天の差配」とも受け取れるでしょう。
国民と皇室の相思相愛に基づく国柄を守り、国民に希望をもたらす道へと続く制度改革に臨むのか。
それとも、因習や差別心の肯定に依存し続けた結果、国柄や伝統の芯を完全に破壊してしまうのか。
後世から見れば、現代の日本は明治維新や敗戦にも匹敵する(ある面ではそれ以上の)ターニングポイントになっている事でしょう。
その難局を、「希望」でつないで行きたい。それが全ての行動原理です。
追記
「EL PAÍS」の記事には、このようなコメントがついている模様です。いやまったくおっしゃる通りで、恥ずかしい事この上ない…「『【〝愛国者〟】』」(←ニュアンス)諸君は恥ずかしくないの?
Valiente majadería de debate en pleno siglo 21 y en un país teóricamente moderno. Da grima tanto machismo rancio.
(21世紀の真っ只中で、理論上は近代的な国のはずなのに、こんな愚にもつかない議論をしているとは呆れ果てる。こんなに古臭い男尊女卑には本当にうんざりする。)






















