皇位継承の危機打開をめぐって、こんな意見がある。
医療水準が向上し、乳幼児の死亡率が低下した現在、側室がなくても、4か5の宮家をつねに確保できれば、確率的に男系限定は維持できるはずーー。
だが果たしてどうか。
この提案を実現するには、旧宮家系国民男子で未婚ないし継嗣となり得る男子のいる方が、少なくとも4、5人以上、皇籍取得の意志を自ら固めて頂くのが、最低限の条件となる。
それは可能か。
対象となり得る候補者は10人ほど。
2人に1人が決意してくれないと無理な計算だ。
保阪正康氏は「希望している人はほとんどゼロ」と言う(『月刊現代』平成18年2月号)。
竹田恒秦氏も、自分の皇籍取得については「完全に否定」し、自分以外に「覚悟を持った者も複数存在する」と曖昧に述べるのみ(『伝統と革新』創刊号)。
「4、5人以上は大丈夫」とは言えないようだ。
(つづく)