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高森明勅
2010.5.30 09:55

旧宮家系国民男子の皇籍取得(3)

そもそも一旦4、5の宮家を確保できても、側室もなく、男系限定で、長く存続できる保証はどこにもない。

占領下に皇籍離脱したのは4、5どころではない。
その倍以上の11宮家だった。
ところが戦後の60年ほどの歳月を経てどうなっているのか。

以前にも、保阪氏のレポートによって、簡単に触れた。

もう少し詳しく述べると、次の通り。
すでに断絶されているのが4家。

レポートの時点で皇太子殿下より若い世代の男子の継嗣がいらっしゃらないのが5家(うち2家は女子あり)。
次代の継嗣(男子)がいらっしゃるのが2家のみ。

11家からスタートして60年ほどでこの状態だ。

4、5の宮家を「つねに」確保できればーーというのは、ほとんど机上の空論と言うしかない。

(つづく)

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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