目先の株価を吊り上げる為に、
国民の老後を支えるべき公的年金の積み立て金を、
国内の株式投資に突っ込みたい塩崎恭久厚生労働大臣。
「(その運用に)政治が手を突っ込んでいるように
疑われてはいけない」として、
運用組織GPIFの独立性を高める
「ガバナンスの仕組みを作ろう」などと言い出した。
これは明らかに目眩まし。
と言うか、下心丸見え過ぎて、自分から
「手を突っ込みたい」と白状しているようなもの。
その証拠に、舌の根の乾かないうちに、
積み立て金の運用のあり方について、
「“株式を含めた”分散投資がリスクを分散すると同時に効率を上げる」
などと、早速クチバシを挟んでいる。
実に分かりやすい人物だ。
しかも「分散投資」云々も、子供騙しにも程がある。
一番安全な国債を削って、先行きの見通しにくい
株式投資に回すことの、一体どこが「リスクを分散する」
ことになるのか。
分かりやすい喩えを使えば、
一家の主人が、銀行の定期預金を削って、
パチンコや競馬、麻雀などにも“分散投資”した方が
「リスクを分散すると同時に効率を上げる」
ことになると言い出したら、家計を握る奥さんが
「あら、それは名案ね」と、
もろ手を挙げて賛成してくれるだろうか?
そもそも、この種の運用で「リスク」を回避するか、
「効率」を狙うかは、常に二律背反。
「同時に」などと言うヤツがいたら、まず間違いなく詐欺師だろう。
塩崎厚労大臣はやっぱりヤバい。