ゴー宣ネット道場

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切通理作
2015.5.15 04:12

差別を生み出しているのは誰なのか

 トッキーさん、
たしかに、香山リカのふるまいに、
「人間的」などという言葉を当てはめてしまうと、
とにかく卑怯な人間ですから、
自分は人間で、こっちは人間じゃないみたいな構図を
作られてしまうおそれさえありますね。 

 

 ただでさえ、敵対すると見做した相手を悪魔化しようと
躍起になっている連中です。

 

『アイヌ民族否定論に抗する』の編者の一人であり、
香山リカに加勢して、
小林よしのりさんに対して差別的に中傷するツイートをした事で、
トッキーさんのブログでも話題になった
Mark Winchesterという人物がいます

 

彼が先日の私の香山リカに対するブログ記事を見て、
ツイッターで私に問いかけてきました。

 彼は「香山氏の一連の騒動に全く興味ありませんが」とした上で、
こう書いています。

 

「小林は『アイヌの「民族」認定に疑義を持っているという事と、
ヘイトスピーチや差別はまた別だ』と言いながら、
金子発言を『ヘイトスピーチとは何の関係もない」と言っています』」
Mark Winchesterのツイートより)

 

「市民、報道、議会一致して
ヘイトスピーチと認定した金子発言はでは、
切通さんはどう思いますか。
ぜひ『議論』を『香山リカ』よりそっちの方へ。」
Mark Winchesterのツイートより)

 

「金子発言」とは、
札幌市議会議員の金子快之(やすゆき)氏がツイッターに
「アイヌ民族なんて、いまはもういない」
「利権を行使しまくっているこの不合理」
などと書き込んだ事を指しています。

 

 なぜMarkに、
私のブログ記事で何を話題にするのかを
指示されなければならないのかわかりませんが、
しかし、この
Markの問いかけを読んだ、
また別の「
kyc197」さんという人が、
「ヘイトなんて曖昧な概念を一致して認定なんて無理です」
という指摘のツイートと共に、
興味深い情報として、あるページのリンクを貼ってくれました。

https://www.facebook.com/resignkaneko/posts/1505763489641378

 

 これは「SAPPORO AGAINST-RACISM」(通称S.A.R.
と名乗る、
「アイヌ民族へのヘイトスピーチを撤回しない札幌市議会議員
金子やすゆきに対する議員辞職勧告決議を求める」
の6名の人間が、
2014年9月4日、民主党の大嶋薫市議と会談した時の議事録です。

 

 これを読むと、「ヘイトスピーチという言葉を入れて欲しい」
と、
S.A.R.側は大嶋薫市議に対して要請しているのです。

 

「ヘイトスピーチということを議会に出すと表現の自由とか、
果てしない議論になってしまうことも危惧される」
と言う大嶋市議に、
「この決議案は法的強制力のあるものではないし、
彼もつっぱねられる、
だから言論の自由の問題として問題になるかな?」
と食い下がっています。

 

 小林さんは、金子議員の、アイヌ問題以外の考え方については、
同意していません。
 S.A.R.のメンバーと大嶋薫市議の会談の二日前、
小林さんは以下の記事を発表しています。

 

「金子議員のホームページを見てみると、
『札幌市は韓国・大田市との姉妹都市提携を破棄し、一切の交流を止めるべき』とか、
集団的自衛権行使に賛成した上で『(反対派は)よほど日本を中国に売り渡したいのでしょうか』とか、
オスプレイ歓迎とか、海外への原発輸出賛成とか、
安倍首相の靖国参拝を支持し、
『失望した』と言ったアメリカに失望したとか、
とにかく見事なほどに
自称保守の紋切り主張がワンセット揃っている」
(メルマガ『小林よしのりライジング』
2014年9月2日号より)

 

 これらの「自称保守の紋切り主張」には
まったく共感を感じないとしながらも、
アイヌに関しての金子発言は
ヘイトスピーチではないと問題を分けています。

 

「『アイヌ民族は出て行け』とか、
『汚いアイヌめ』とか、
差別的な罵詈雑言を浴びせればヘイトスピーチだろうが、
アイヌがいるかいないかは議論の問題である。
ヘイトスピーチとは何の関係もない」
(メルマガ『小林よしのりライジング』
2014年9月2日号より)

 

 またアイヌ利権も、
ネトウヨが指摘するような在日特権の問題とは異なるとしています。


 しかし「ネトウヨ」が、「アイヌが民族か否か」や「アイヌ利権」を話題にする時「在日に対するヘイトスピーチの一環として行なおうとしている」事に懸念を表明しているのです。

 

「アイヌ問題でネトウヨたちが騒げば騒ぐほど、
利権アイヌを利する結果にしかならない。
明らかに批判すべきものを批判しても、
それが『ヘイトスピーチ』と見なされ、言論封殺されてしまうことになるのだ」
(メルマガ『小林よしのりライジング』
2014年9月2日号より)

 

 そして、これがアイヌ差別すら生み出してしまう事を
<回避すべき未来>として記しています。

 

「これ(言論封殺)にさらにネトウヨ達が反発して
言動を激化させれば、
普通の日本人として暮らしている大多数のアイヌ系の人々に対して、
新たな偏見と差別の目を向けることにもなりかねない」
(メルマガ『小林よしのりライジング』
2014年9月2日号より)

 

 私も、この考えに対し、基本的に同意します。

 しかしS.A.R.のメンバーは、
この小林さんの懸念を知ってか知らずか、
むしろ意図的に、
アイヌ問題をヘイトスピーチの枠に入れてしまおうと策動しているのです。

 

 これでは小林さんも指摘するように、
新たなる差別を作りだしていると言われても、
仕方がないのではないでしょうか。

 

 むろんこれは、金子発言に対し
「市民、報道、議会一致してヘイトスピーチと認定した」
と既成事実化しているかのような発言をし、
その認識に逆らう者は全て差別主義者だと言わんばかりな
Mark Winchesterの態度にも通じています。

 

 差別を生み出しているのはいったい誰なのか、
考えてみる必要があります。

切通理作

昭和39年、東京都生まれ。和光大学卒業。文化批評、エッセイを主に手がける。
『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)で第24回サントリー学芸賞受賞。著書に『サンタ服を着た女の子ーときめきクリスマス論』(白水社)、『失恋論』(角川学芸出版)、『山田洋次の<世界>』(ちくま新著)、『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版)、『特撮黙示録』(太田出版)、『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)、『地球はウルトラマンの星』(ソニー・マガジンズ)、『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)、『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』(宝島社)、『本多猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣少年の〈復讐〉~70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)など。

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