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小林よしのり
2015.7.16 15:54政治

「従米法案」野党の参議院の議論に期待する


10年ほど前、自衛隊の存在を違憲とする憲法学者が7割を

超えていたという。

今は自衛隊合憲論の方が多いのか、それは知らない。

 

だが現行憲法の第9条を素直に読めば、第1項が、

戦争放棄条項になっていて、第2項で「陸海空軍その他の

戦力はこれを保持しない。国の交戦権は、これを認めない

と書いてある。

 

間違いなく自衛隊は違憲なのである。

小学生の時にこれを読んで、自衛隊があるのだから、憲法って

大人の建て前なのだろうと思ったものだ。

 

大人になって、憲法第9条はパリ不戦条約を反映しているとか、
国民の生存権を守るための自衛は合憲などと、憲法学者が
自衛隊合憲論」をでっち上げたのだと知る。

馬鹿馬鹿しい欺瞞だ。

そして自衛隊を容認する国民が増えたから、憲法学者も

自衛隊合憲論者が増えてしまったのだろう。

 

だがわしは、それでも普通の国語力で第9条を読めば、

自衛隊は違憲としか読めないから、憲法改正をするべきだ
言ってきた。

「王様は裸だ」と言っているだけだ。

 

だが、合憲論の欺瞞が、とうとう集団的自衛権の議論で

崩壊しつつある。

どうしても、第二の解釈改憲が必要になってしまうからだ。

 

安倍晋三はもはや「憲法改正」は諦めたのだ。

ドイツのワイマール憲法が、ヒトラーの全権委任法で、効力を

失った手口をマネたのだろう。

解釈改憲で米軍に追従する道を選んだのである。

だが同時に「立憲主義」も「民主主義」も崩壊してしまった。

政権与党の999%の議員が国民に説明できない、
いや、安倍首相
みずからも説明できない法案が衆院通過
したのである。

 

国際政治学者や軍事アナリストは、「立憲主義」を軽んじても

やむを得ない国際情勢のリアリズムがあるとするが、わしには

中国の脅威という誇大な幻想に怯えているだけにしか見えない。

集団的自衛権が行使できない現状でも、個別的自衛権の充実と、

平時の自衛権行使を整えるだけで、日本は守れるからだ。

 

失うものの方が大きい「従米法案」のインチキを、参議院で

野党はもっと効果的な議論を展開して、暴いてくれないだ

ろうか?

期待している。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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