ゴー宣DOJO

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小林よしのり
2016.1.28 03:04メディア

マスコミは権力と芸能事務所に逆らえない


朝日新聞に津田大介氏のSMAPに関する記事が載っているが、

これが大変面白かった。

「世間を騒がせた」なんて意味のない謝罪をテレビでやったのは、

やはり公共の電波を利用した事務所の「見せしめ」だろう。

 

最近ではSMAPのファンの中にも事態の真相が分かってきた

人もいるようで、独立させてあげてもいいじゃないかという

意見もあるという。

ファンがSMAPのメンバー個人の意思を圧し潰すというのも

残酷な展開である。

 

この騒動で不気味だったのは、テレビの司会者やタレントや

コメンテーターが、ジャニーズ事務所やメリー喜多川の批判を

絶対にしないという異様さだった。

 

スポーツ新聞も確かにジャニーズ事務所側に立っていて、

SMAP存続を強制する同調圧力を作り上げていた。

津田氏が「芸能マスコミは当初から事務所側に立った一方的な

報道を繰り返した。中でもスポーツ紙は露骨だった。」と書いて

いるが、その通りにわしも感じた。

 

その理由は「事務所の機嫌を損ねれば、記事を作る上で貴重な

情報源が失われ、自らの立場やビジネスが危うくなるからだ。」

というのも、その通りだと思う。

 

そして「芸能事務所と芸能マスコミの関係はそのまま永田町と

大手新聞の関係に置き換えられる。」という意見にも、激しく

同意する。

テレビや新聞も、安倍政権を厳しく批判することを避けている。

特にアベノミクスが大企業優先の政策なので、スポンサーになる

大企業の機嫌を損ねないようにマスコミは配慮・自粛しなければ

ならない。

 

昨日は自民議員がBS日テレの報道番組をドタキャンしたという

ニュースがあった。

「政治とカネ」がテーマなので、党幹部が、甘利大臣の疑惑に

ついて、自民党議員・個人の意見を封じたいという党幹部の

意向らしい。

 

権力はマスコミを巧みに懐柔し、マスコミは「私利私欲」の

ために「公共性」を無視し、権力監視の使命を果たさない、

そういう時代になっていく。

テレビ・新聞は、権力と、スポンサーと、芸能事務所の

顔色を見て、ニセの情報を流して国民を欺く。

心ある者は、権力とも、マスコミとも、戦わなければならない。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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テーマ: ゴー宣DOJO in大阪「週刊文春を糾弾せよ!」

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