安倍首相が国連女子差別撤廃委員会の「皇室典範勧告案」に
不快感を示したらしい。
皇位継承権を男系男子に限定するのは、女性差別だという
委員会の勧告に対し、「女性差別ではない」と主張したのだが、
無知ゆえの弁解である。
男系男子限定は女性差別に決まっている。
日本の伝統でも何でもない。
明治の皇室典範制定時に、井上毅が「男を尊び、女を卑しむの慣習、
人民の脳髄を支配する我国において、女帝を立て皇婿を置くの不可
なるは、多弁を費やすを要せざるべし」と主張して、女系論を潰した
のだから、女性差別に決まっている。
そもそも反発すべきは「慰安婦を教科書に乗せるべし」という勧告
の方なのに、安倍政権はこれを黙認している。
安倍首相は、慰安婦問題で河野談話より後退した日韓合意をして、
コアな安倍信者が分裂したため、今度は男系男子固執を改めて強調
することによって、コアな信者を取り戻そうとしている。
つまり、慰安婦問題の敗北を、男系男子固執で、糊塗しようとして
いるのだ。
しかも今後、世界に「男系継承は女性差別ではない、日本の伝統だ」
と説得して回るという。
そんなことをしたら実は女系継承を認めるしか、皇室の弥栄はない
と判明した時に、大変なことになる。
日本は伝統を壊したと誤解されてしまう。
慰安婦問題の敗北が、皇位継承問題に波及するとは!
わしは国連の委員会の「男系男子継承は女性差別」という勧告は
正しいと思う。
だがそれでも、「外圧」に頼って、皇位継承を変えるのには反対だ。
あくまでも国民の良識で、皇室典範に潜む男尊女卑観念を打破して、
皇室の永久繁栄を実現しなければならない。




















