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高森明勅
2017.6.13 03:00

理想と現実

小林よしのり氏が大切な指摘をされている。

政治家は理想に向けた、
そして原理原則を射程に入れた
リアリズムを実現しなければならな
い」と。

民間の言論人は正しい理想を掲げ、
思想の原理原則を真摯に貫くのが「責任」だろう。

一方、政治家はそれを現実に“着地”させるのが「責任」。

そこで政治家に問われるのが「リアリズムの力量」だ。

ただ現実に埋没するのでも、
空論や妄想に引き摺られて現実から遊離するのでもない。

現実を理想に「向けて」着実に変革する“力”が求められるのだ。

一方、言論人はその「リアリズムの戦い」に対し、
適切な理解と共感を持たねばならない。
勿論、
原則を投げ捨てた安易な妥協や行き過ぎた駆け引きは、
厳しく批判すべきだ。

しかし、地道で粘り強い現実変革へのリアリズムの戦いには、
最大限の支援を行い、惜しみ無い拍手を送るべきだ。

にも拘らず、ひたすら着地点が見えない理想ばかりに拘泥し、
リアリズムの戦いを非難し、その足を引っ張って、
己れの正統性や純粋性を誇示するような愚劣な振る舞いも、
これまで見かけることがあった。

今回の「ご譲位」を巡る取り組みの勝因の1つは、
そうした理想と現実の相剋を、
圧倒的多数の国民の支持を背景に、
政治家の誠実な努力と言論人のリアリズムへの共感によって、
良い形で乗り越えることが出来たからに他ならないだろう。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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