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小林よしのり
2017.6.29 03:22日々の出来事

自衛隊は人民解放軍ではない


稲田朋美は論壇ホステスだから、自衛隊を自称保守の私物

と思い込めるのだ。

そんな偏った考えの者を、防衛大臣にしてはいけなかった。

 

自衛隊は自民党・一党のための軍隊ではない。

一党のための軍隊なら、中国共産党の人民解放軍と一緒に

なってしまう。

自衛隊は国民のための組織であり、人民解放軍は国民の

ための組織ではない。

全く違うのだ。

 

だから、中国人の若者が民主化を求めて天安門広場に集結

すると、人民解放軍は共産党一党を守るために、国民の敵

となって、若者を戦車でひき殺してでも蹴散らす。

 

稲田朋美は、自衛隊と、人民解放軍を一緒にしてしまった。

これは自衛隊を侮辱する行為であり、真の保守ならば、

絶対に許してはならないのだ!

 

しかるに産経新聞や自称保守やネトウヨは、稲田朋美を

庇っている。同情的である。

安倍首相に至っては、絶対に罷免しない。

現在の保守を自称する者たちが、単なる「アカ」か「シナ」

のレベルにまで劣化している証拠だ。

 

劣化保守の論壇人も、今までずっと自衛隊は、自分たちの

陣営の者という勢いで讃美していたから、論壇ホステスの

稲田朋美も勘違いしていたのだろう。

 

稲田は単なる自称保守論壇のホステスなのだ。

自称保守の論壇村で重宝される言葉は、もう決まっている。

お決まりの論調を述べておけば、エセ保守オヤジが鼻の下

伸ばすから、論壇ホステスは気楽な稼業なのだ。

 

安倍晋三も自称保守の論壇村出身だから、論壇ホステスは、

政治家として有望であると思い込んでいる。

だが政治家には「リアリズムの力量」がいる。

稲田朋美は論壇村の空理空論と、政治のリアリズムの現場

の落差が分かってない。イタイ人なのだ。

 

劣化した自称保守の論壇村言説が、いよいよ限界に達して

きたのかもしれない。

安倍首相のやけくそな憲法改正案と、やけくそな獣医学部

の大増設宣言を見てると、この政権もいよいよ断末魔を

あげ始めたなという思いを深くする。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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