ゴー宣DOJO

BLOGブログ
笹幸恵
2017.8.6 16:20

今日の道場

ゴー宣道場の白熱ぶり、ものすごかった。

帰宅した今もなお興奮冷めやらぬ状態です。

 

井上達夫先生の思想としての正しさ、欺瞞を許さない姿勢に

激しく共感しつつ、

枝野幸男議員の政治家としてのリアリティを絶対に崩さない、

ほとんど信念といっていいスタンスにも畏敬の念を抱きました。

 

「まず安倍改憲案をつぶすのが先」

それはその通りなのだろうと思います。

野党としては、安倍政権の憲法改正の議論に易々と乗り、

同じ土俵に上がることを警戒するのはごもっとも。

そして現実に照らし合わせて、徹底的に実現可能性を探る。

これぞ政治家の誠実さの表れだと思います。

枝野議員の誠実さは、並外れている。

あれだけ迫力ある井上達夫先生の批判をすぐ隣で(大音量で)聞きながら、

それに動じないというのは、相当の鍛錬が必要ではないでしょうか。

普通なら、カッとなっていらぬことを口走ったり、

個人攻撃などの感情論に走ったり、

あるいはとっさに自己防衛本能が出てくると思います。

井上先生の挑発的な批判に対して、「あなたの言うとおり」と

同調するほうがはるかに簡単。

心情的に近いなら、なおさらでしょう。

でも枝野議員はそれをしませんでした。

決して誰もが真似できることではありません。

 

しかし一方で、自民党を何となく支持するけれども

安倍改憲案を「なんかおかしいぞ」と思う人の受け皿が、

どこにもないという現実もあります。

そもそも安倍政権が誇ってきた高い支持率だって、

「ほかの政党よりマシ」という、消極的かつ消去法的支持に過ぎません。

民進党はそうした人々の受け皿になり得るのだろうかという思いも、

同時に沸き起こってくるのです。

期待するからこそ。

 

自衛隊が合憲か、違憲か。

学者としての真っ当な批判と、政治家としての徹底した現実路線。

お二人の白熱議論を通して、少なくとも安倍改憲案が

どれだけ自己矛盾を抱えているかが

浮き彫りになったのではないでしょうか。

 

それにしても民進党の代表選を控えた微妙な時期に、

枝野議員はよくお越しくださったものと思います。

これだけでも有り難いことでした。

 

井上先生がおっしゃっていた政治家の種類、

次の選挙を考えるポリティシャン(politician)と

次の世代を考えるステーツマン(statesman)のお話、

よくよく肝に銘じて政治家に注目していきたいと思います。

 

最高に知的興奮を感じた回となりました!

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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