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高森明勅
2018.6.16 07:00政治・経済

「安倍首相の出番」北朝鮮に10兆円を貢ぐ?

北朝鮮を巡る情勢は、いよいよ「安倍首相の出番」。
 
つまり、日本が北朝鮮に巨額の資金提供を行うステージに、
移りそうだ。
 
北朝鮮は、米朝首脳会談を自分に有利に運ぶ為に、
予め中国にしっかり取り入った。
 
中国を後ろ楯にした北朝鮮に対し、
アメリカは早速「安全の保証」を約束した。
 
今度は米朝の“良好”な関係を背景に、
日本から資金を引き出すのが予定の順番だ。
 
だから「拉致問題は解決済み」とは言わなかったし、
「安倍首相とも会う」と言い出した。
 
全て北朝鮮のスケジュール通り。
 
しかし、「対話でなく圧力を」と繰り返し訴えていた
安倍首相も、もはや断れない。
 
アメリカに梯子(はしご)を外された以上、
これに飛び付かざるを得ないだろう
(内閣支持率の回復と9月の自民党総裁選対策を
睨〔にら〕んで!)。
 
「金正恩は父の死後、父ができなかった日本からの
過去清算資金を取ることで、父の権威を乗り越えたいと
考えていた、という内部情報がある。
 
…トランプ大統領の立場では、
自分が金正恩氏と行うディールの中に
日本が出す資金を見せ金として組み込んでいるのだ。
 
トランプ大統領が拉致問題を取り上げたのは…
自国の財布は開かず、かわりに日本の資金を
ディールに使おうとしているのだ」
(西岡力氏)
 
残念ながら、安倍首相は米朝の思惑通りに
動く事になりそうだ。
 
既に、今井尚哉首相秘書官が
「拉致問題を10兆円(!)で解決する」
と嘯(うそぶ)いている、という話も伝わっている。
 
同胞を拐(さら)った犯罪国家の独裁者と笑顔で握手し、
巨額の血税を貢いで拉致問題を「解決」して“戴く”
ーという考え方なのか。
高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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