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笹幸恵
2018.7.9 02:35日々の出来事

権力にすり寄った人間へのご褒美

週刊新潮に函館地検のトップになった
女性の記事が載っていた。
山本真千子検事正。
彼女は財務省の佐川前理財局長をはじめ
森友学園に関する文書改竄に関わっていた職員を
全員「不起訴処分」にした大阪地検の特捜部長だ。
記事によると、今回の異動は明らかに栄転なのだとか。
「官邸の顔色を窺った最高検の指示通り、
(佐川氏らを)不起訴にした論功行賞」だという。

諸悪の根源は内閣人事局だ。
官邸にすり寄った人間に対するご褒美人事がまかり通り、
権力の都合によって真実が歪められている。
佐川氏も国会の場でしっかり権力を擁護して、
国税庁長官の椅子を用意してもらっていたし、
辞任して告発されたって「不起訴処分」になるのだから、
もはや怖いもんはないだろう。

ご褒美人事といえば、昭恵夫人付だった谷査恵子氏は
ノンキャリなのにイタリア大使館の一等書記官だ。

目の前に「人事」というニンジンがあったら、
それに目がくらんで、自らの正義も、誠実さも
かなぐり捨ててしまう人間がいる。
そのニンジンというご褒美、恥ずかしいほど
あからさまなのだけど、それにすら
気が付かないのだろうか。
よほど客観性がないか、
あるいは「自分にだけは許される」という
何かの特権意識でもあるのかもしれない。

特権意識といえば、「俺は何をしても許される」とばかり、
女性の人格も人権も踏みにじる、権力べったりの
ジャーナリストもいる。彼もまた、逮捕状まで出ていたのに
不起訴になった。


権力に近い人間は得をする。
権力にすり寄った人間はご褒美を与えられる。
権力側の人間なら、何をしても許される。
一体これのどこが「美しい国」だ!?
あろうことか今年から小学校では「道徳」が
正式な教科になっている。
こんな社会で、こんな大人のふるまいの前で、
何をどう教えろというのか。
まるでブラックジョークだ。

おかしいだろ。
おかしいだろ、この国は。
何が道徳だ。
何が美しい国だ。
ふざけんじゃないよ。
腐った人間ばっかりじゃないか。


・・・脳みそ沸騰して、
電車を乗り過ごしてしまったじゃないか。

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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