ゴー宣ネット道場

BLOGブログ
倉持麟太郎
2018.7.24 16:50

8月5日ゴー宣道場で『立憲的改憲』(ちくま新書)先行販売決定!!

安倍政権暴政極まれる今国会も閉会した。閉会したとたんに憲法改正の実現について安倍総理は言及しており、やる気満々である。
もうここまでくれば発議はないなどと寝ぼけている人々もいるが、もうそういう人たちは安倍改憲が成立してもいいと言っているのと同じことということで認定することにした。付き合っていられない。
安倍改憲も、護憲派も、自分のマーケット内に向けた発信と自陣の死守に躍起で、まったく公のことを真に考えていない。柔軟でも多様でもない。柔軟で多様な方が強く逞しいことは「頭では」わかっているはずなのに、頭で考えることを生業にしている人々が、感情や保身で行動している様は嘆かわしい。

それにしても、北朝鮮・アメリカを含めた諸外国との外交問題、豪雨災害への対応や、働き方・水道民営化・カジノ(まだまだたくさんあるが)各種法案の「ざる」のような通し方、公文書の廃棄・改ざん・隠蔽、官僚上層部の汚職、セクハラ・・・
いったいこの国の善さとはなんだったんだろうか。失われた20年といわれたあのときからさらに20年を我々は失ったと確信している。
本当に冷たく陰湿な社会だ。
豪雨災害の被災者も、自衛官も、皇室の方々も、沖縄の人々も、保育園に入れない親も、派遣でしか働けない人も、自分とは異なった性的志向を持った人も、この国の多くの人にとっては、無関係な「他人」である。その人々の人権や尊厳は、まるで自分とは同一平面状にないようなふるまいが社会で横行している。これは、積極的に発信をしている人だけが加害者ではない、無言でいる人たちも、その不作為によって、この国の同胞の人格の根源的対等性を深く深く傷つけている。

では現代ではなく、それ以前には何か価値や秩序があったかというと、「昭和なる者」を「知性」と言い換えてある種妄信していた法律家共同体も、結局は「そうであったらいいな」というファンタジーに支えれた疑似世界であったとしか思えない。つまり、戦後日本は何もしてこなかったのだ。リベラルも保守も「昔はよかった」というが、昔っていったいいつなんだ。言論空間に影響を与えた「個」としての思想家は複数いただろう。しかし、それは、何も意識的に歯をくいしばってその「善き」状態を維持していたというよりは、絶妙な良き忖度と善意と不作為による奇跡的なパワーバランスでその状態が保たれてきただけではなかったか。
ウィーンフィルを褒める人は「今はダメだ」「昔はよかった」という人が多いが、5万年前は本当によかっただろうなと思う、つまり、そんなときは本当にあったのか。あったことにしてないか。
この間、日本が戦後生み出した日本の善さを真剣に考えたが、明確に挙げられたのはウォシュレットくらいだった。

不作為の中の善意と偶然に支えられた「善き」「幻想」は狡猾な現実の前に脆くも崩れ去っている。こんなときにありもしない「日本人らしさ」や「昔はよかった」に依拠してもまったく問題の解決にはならない。こういうときこそ自分の頭で考えなくてはならない。理想形や完成形などない、常に考え続けながらより善き道を探るしかない。そのとき、常にそのときの疑似的な理想形を突き動かし揺さぶる概念こそが真の理想ではないだろうか。

憲法の文脈では、やはり、自分たちの口で責任をもって憲法を語り、主権を語り、自らの化身たる権力をどのように設計し統制するのかという作業をしなければ、本当にこの国はハリボテと化してしまう。

8月5日のゴー宣道場では、条文案も発表する。これも理想形ではない、疑似理想形だ。この条文案自体もいまだに毎日のように激しい議論の中で揺れ動いている。その揺れ動きのプロセスと理由を皆様の前にお示しし、是非1000本ノックのようにたたいてほしい。
また、当日は山尾議員が編者となり、7人の猛者を立憲的改憲を論じた新書『立憲的改憲』(ちくま新書)を先行販売できることが今日正式に決定した。是非これも手にとってほしい。
どこぞの集英社新書が突貫工事でコピペやどこかで話した内容をそのまま掲載した手抜きを並べた『改憲の論点』なる本とは比べ物にならない「熱い」本となっている。なにせ、新書なのに400P近くある(!)
この本の詳細等はまた発表するが、これを発売よりも早く入手するためだけにでも、そしてできれば、条文案のプロセスの一端に触れていただき、これをどうにかたたいてやろうという舌なめずりでも結構、是非参加していただきたい!

倉持麟太郎

慶応義塾⼤学法学部卒業、 中央⼤学法科⼤学院修了 2012年弁護⼠登録 (第⼆東京弁護⼠会)
日本弁護士連合会憲法問題対策本部幹事。東京MX「モーニングクロ ス」レギュラーコメンテーター、。2015年衆議院平和安全法制特別委員会公聴会で参考⼈として意⾒陳述、同年World forum for Democracy (欧州評議会主催)にてSpeakerとして参加。2017年度アメリカ国務省International Visitor Leadership Program(IVLP)招聘、朝日新聞言論サイトWEBRONZAレギュラー執筆等、幅広く活動中。

次回の開催予定

第94回

第94回 令和2年 12/6 SUN
14:00

テーマ: 「コロナ後のリベラル」

INFORMATIONお知らせ