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高森明勅
2018.8.16 14:37政治

平成最後の終戦記念日

平成30年8月15日。
 
平成最後の終戦記念日。
 
私は「昭和最後の終戦記念日」を
思い出さずにはいられなかった。
 
昭和63年8月15日ー。
 
昭和天皇は側近の制止を振り切り、
那須御用邸でのご静養を一旦中断され、
進退ご不自由なお身体を押して、
日本武道館での全国戦没者追悼式に臨まれた。
あの時の、昭和天皇の崇高なお姿が忘れられない。
 
昭和天皇は年代の確かな歴代天皇で
最高齢の87歳でいらっしゃった。
 
この日に詠まれた御製。
 
やすらけき
世を祈りしも
いまだならず
くやしくもあるか
きざしみゆれど
 
渾身の平和への「祈り」だった。
 
その事実を顧みつつ、平成最後の終戦記念日での
今上陛下の「おことば」を、謹んで掲げさせて戴く。
 
「本日、『戦没者を追悼し平和を祈念する日』に当たり、
全国戦没者追悼式に臨み、さきの大戦において、
かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を
思い、深い悲しみを新たにいたします。
終戦以来既に73年、国民のたゆみない努力により、
今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、
苦難の往時をしのぶとき、感慨は今なお尽きることがありません。
戦後長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ、
ここに過去を顧み、深い反省とともに、
戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願い、
全国民と共に、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、
心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の
一層の発展を祈ります」
 
私ども国民は、昭和ー平成を貫く厳粛な祈りを、
深く肝に銘じるべきだろう。
高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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