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高森明勅
2018.11.14 15:30政治

祝祭としての戦争

京都でのゴー宣道場で「祝祭としての戦争」
という側面を指摘した。

勿論、
無惨な敗戦を知っている日本国民は、
よほど特殊な人物でない限り、
誰しも理性的には戦争を嫌い、
憎んでいるはずだ。

しかし、自覚されざる意識下の欲望として、
戦争を好んでいる場合もあり得る。

他国の理不尽な行動が、
長年に亘って執拗に繰り返され、
偶発的に小規模な戦闘が起こって、
わが国の兵力がたちまち相手を圧倒した場合。

果たして人々は爽快感を持たないだろうか。

自分や家族は安全な場所にいて、
勝利の報(しら)せが相次いでも、
戦闘の継続や拡大を望む人間など1人もいないと、
断言できるだろうか。

その他にも様々な場面で、
人々が戦争に熱狂する情景は想像し得る。

人は、平常の穏やかな理性だけでは説明できない、
不定形な情念も抱えている。

だから予め、そうした人間の複雑さも織り込んで
戦争を考えないと、戦争を有効に回避し、
防止することも出来ない。

そういう話をするつもりだった。

だが議論の流れに紛れて、
肝心な後半部分に言及できなかった。

「高森って、とんでもないヤツだ」と、
誤解された向きがあるかも知れない。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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