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高森明勅
2018.12.8 16:13皇室

三笠宮問題という歴史

以前、「三笠宮問題」という
出来事があった。
 
今の「建国記念の日」(2月11日)が
まだ平日だった頃の話だ。
 
この日は元々、明治以来、
「紀元節(きげんせつ)」
と呼ばれる祝日だった。
 
ところが敗戦後の占領下に、
GHQの強権によって、
当時の民意に反して
平日にさせられた。
 
当然、独立回復後には、
この日を祝日として復活するよう求める
国民の声が高まった。
 
それに対し、
左翼が反対したばかりでなく、
あろうことか、当時の昭和天皇
の弟宮の
故・三笠宮崇仁親王が
明確に反対の
ご意志を繰り返し
表明されるという、
異常な出来事が起こった。
 
これに対し、
良識的な学者や知識人などが
やむなく批判の言論を展開するという、
まことに残念な事態になってしまった。
 
里見岸雄博士の
『天皇及(および)三笠宮問題』
(昭和35年、錦正社)などは、
その最も代表的な例だろう。
 
博士は、その激烈な
「諫告(かんこく)」の一文を、
以下のように締め括っておられた。
 
「私は、日本国民の1人として、殊(こと)に、
心から天皇を仰慕(ぎょうぼ)奉戴(ほうたい)
する者の1人として、又、40余年一貫聊(いささ)
か国体の学的研究に従事しきたつた1人として、
かりそめにも皇弟におはし、親王であられる
三笠宮殿下に対し、本篇の如(ごと)き
非常の言を敢(あえ)て発し、
再三再四に亘(わた)る非礼の言をも
強い(しい)て書かなければならなかつた
国運の非を悲しむと共に、殿下に対しては
文中の非礼強言をつつしんでお詫び申し上げる」と。
 
比較的近い歴史上に、
このような出来事もあった。

そうした事実も一応、

知っておいた方が良いだろう。
高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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