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泉美木蘭
2018.12.21 16:34日々の出来事

イマドキの不動産仲介屋

札幌大爆発のアパマンショップ、10年くらい前、世田谷区の
アパート借りた時に利用したっけなあ。
もう契約書が残ってないけど、「消毒抗菌代」をとられて、
あの数百円の消臭スプレーをシューシュー撒かれてたんだろう。
爆発しなくてよかったよ。

仲介屋って商売も、かなり競争が激しそうだよね。
6年ぶりに引越しすることになり、今回は別の仲介屋の世話に
なっているけど、駅前のビルの2階にある小さめの支店で、
ものすごい人手不足みたいだ。
私の物件の内覧に出る時は、事務所の留守番がいなくなり、
担当の人が、営業に出ている社員に電話をかけて、
「鍵をいつものところに入れておきますから、開けて入って下さい」
と言付けていた。

で、内覧は社用車で回るのかと思いきや、
近くの「タイムズ駐車場」のカーシェアの車を予約していて、
それを利用して回るという。
へええ、現代的やなあ、都会は駐車場高いし、車を持たずに
こうやって商売に利用してるんやなあと思いつつ、

駐車場まで歩いていくと、ネットの障害でIDカードが作動せず、
車が使えず、結局また事務所まで歩いてもどってきて、
「すみませんが、自転車でもいいですか?」
と……。
もともとタイムズのカーシェアは2台しか予約枠がないし、
一般の人や、他の業者も使っているので、予約できない時もあり、
そういう時は自転車で回るのだそうだ。

で、2階の事務所からえっちらおっちら、汗だくになりながら
チャリンコを2台、担いで階段を下ろしてくれた。
これはさすがに「社用車」だった。
最初はチャリかよ面倒だなあと思ったのだけど、回ってみると
街の様子や、歩く人の様子、スーパーや本屋などがよく目に入り、
距離感も体感できたので、はっきり言って車で回るよりも断然
良かった。

その後、収入証明書や、保証人の身分証明書なんかは、
なんとLINEで写真を送って手続きが進んだ。
以前は現物を不動産屋まで持参して、入居審査のための軽い面談
なんかがあったし、
「家賃2年分の貯金がないと貸せないので、通帳を見せて下さい」
と言われて、預金通帳まで持参したこともあった。
通帳残高なんて、全額借金ってことも私にはあったから、
見ても何の意味もないんじゃないの、と思っていたけど…。

そうそう、同居人の会社まで、大家さんがわざわざ電車を
乗り継いで見に来たなんてこともあったね。

「ご立派な建物の会社ですね、安心しました。契約OKです」
建物が立派でも、最上階に『コストカッター』が鎮座ます会社も
ある時代なのに、日本人は「契約」という概念とは根本的に違う
ところに、安心や信頼を担保したいと考えるんだよね。

今回は「LINEの写真」で進んでいくのだから凄い。
「入居審査が通りました」という連絡も、昨夜、10時半ごろに
LINEで届いた。
メール、LINE、スマホを駆使して仕事しているから、
担当者は休日だろうと深夜だろうと、自宅だろうと電車に乗って
いようとおかまいなしに断続的に仕事をしているんだろう。
・・・この仕事、いずれAIで人間必要なくなるんじゃない?

ひとまず部屋借りられてよかった。
うっすら傾いている木造アパートから脱出。

ある日、LINEでAIから退去勧告されたりして。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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