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高森明勅
2019.1.11 14:11皇統問題

幻のコメント

あるテレビ番組からコメントを求められ、
内容も確認した後、当日になって急にボツの
連絡が来た。
 
「皇統を守るためにはどんな手立てが
あると思いますか?」
 
という直球の質問。
 
私はおよそ以下のように答えていた。
 
過去の天皇の半数近くは天皇の正妻以外の子だった。
歴代の天皇の正妻の4代に1代は男子を生んでいない
とされる。
 
常識的に考えても、たったお1方の正妻が
代々“必ず”お1方以上の男子を生む事は、
想定し難い。
つまり、これまで「側室」の制度が
「男系限定」を支えて来た。
その側室制度を自覚的に廃止されたのが
昭和天皇だった。
 
今の皇室典範では、明治の典範と違って、
万が一側室の子がいらしても、
皇位継承の資格は認められない。
従って、皇統を守るためには次の二者択一しかない。
 
(1)これまでの男系限定を維持するために
側室制度を復活し、側室の子にも皇位継承資格を認める。
 
(2)側室制度の復活はあり得ないので、
男系限定を見直す。この2つのどちらか。
 
しかし、予想し得る将来において、
側室制度が復活する可能性は、皆無に近い。
 
皇室ご自身も国民の圧倒的多数も認めないだろう。
 
そもそも、側室になろうとする
未婚の品位ある女性が、今後遠い未来まで、
何人も現れ続けるとは考えられない。
 
ならば、
 
(2)を選ぶ以外に手立てはないはずだ。
…ひょっとして、「正妻以外の子」とか
「側室」などという表現それ自体が、
“テレビ的”にマズいと判断され、敬遠されたのか。
まさかとは思うが。
 
皇統の将来を考える場合、
歴史をリアルかつシビアに振り返る必要がある。
 
その歴史上の事実を“客観的”に指摘したに過ぎない。
 
言う迄もなく、
現代の価値観で過去の側室制度を
非難するような意味合いは、
そこには全く含まれていない。
 
にも拘らず、
こうした表現まで神経質にタブー視して、
排除されてしまうとすれば、
皇統についてまともな議論は出来なくなる。
高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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