ゴー宣ネット道場

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小林よしのり
2019.4.17 10:31日々の出来事

明治アナクロ保守と意固地について

昨日は『おぼっちゃまくん』のコンテを上げて、
『よしりん辻説法』のために本を1冊読んだ。
今日は2冊目、650ページの分厚い本を読む。
本を読まないと描けないネタもあるからここで
時間をとられる。

今発売中の『よしりん辻説法』も何冊も本を読んだ
のに、使ったのは3コマだけだった。
気軽に読めるから、下準備に時間がかかってるとは
思わないだろう。

本を読むと今まで信じてきた常識(と思っていた
感覚)がひっくり返されることがある。
現代社会の常識は必ずしも日本人の祖先たちの常識
ではない。
明治が日本の伝統を捻じ曲げてしまった重大な転換点
だから、『大東亜論』を描いて以降は、警戒して見る
ようにしている。

日本の自称保守派は明治以降の感覚を日本の伝統と
勘違いして、明治讃美をしている連中ばかりで、
「明治アナクロニズム」に陥っている。

彼らはもう勉強しないから劣化する一方だ。
「明治アナクロ保守」のままで、老眼になり、本を
読むのも苦痛になり、ハズキルーペに頼ってしか
勉強できない状態になり、脳の固形物化、劣化が
進行するばかり。

もはや香山リカが言った「学問に憎悪を持っている」
状態と言えるだろう。
あいにく香山こそが学問に憎悪を持っているペテン
心理学のやぶ医者だと、わしは思っているが。
「ワンドロップルール」に対して、バカみたいな
反発(反論ですらない)しか示せなくて、何が学者だ。
まあ、明治アナクロ保守の劣化脳と大して違いはない
のだが。「学問に憎悪を持っている」だけだ。

わしがこんな物言いをしてると、本を読む暇もないが、
社会の危うさには気づいていたいと考える誠実な市民
は、自分も老眼になって本も読んでないからと、
気後れしてしまうかもしれないが、そうは考えなくて
いい。
誰が本当に学問しているかを見抜けばいいだけだ。

日本人には明治以前からの「常識」も蓄積されて
いるので、それは発言者の質を見抜く力にはなる。

「表現者クライテリオン」をパラパラと見ていたら、
富岡幸一郎氏が「皇統を守るために」という論考を
書いていて、「女性宮家の創設こそがむしろ急がれ
ねばならないのではないか」と表明している。
昔は男系支持だったが、やっと考えを改めたようだ。
とてもいいことだ。

わしが凄いのは「昔はこう考えていたが、今は考えが
変わった。それはこういう理由による」と表明できる
ところだ。
これは、わしが意固地じゃないこと。
そして知的誠実さがなければ公論に接近できないと
考えるからである。

意固地な奴ってすごく多い。
知識人にも、一般人にも、意固地な奴って多い。
意固地族はなぜ意固地なのか?
これを分析するのも思想的な命題になるかもしれない。

発売中の『よしりん辻説法』の、りか坊のはみだし文
を読んで欲しい。
あれはいい所に気がついてくれた。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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