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泉美木蘭
2019.5.10 16:40配信動画

徒然草は読めば読むほど、味が出ます

高森明勅先生との動画番組「徒然草 気まま読み」の収録が、
毎回とても楽しくなってきている。
「古事記」もそうだったけど、古典は、中学生、高校生の頃に
読んだ時の解釈が、さらに深まってくるから面白いよね。
読めば読むほど味が出る、スルメみたいな本だ。

子どもの頃は兼好法師を「大昔のすごい坊さま」と思っていたけど、
こんなに悟りきれてない人間味のある人だったのか、とか、
そこまでの深い洞察が隠されていたのか、とか、
兼好、アンタ一体どんな目に遭ってきたのよ(女から)、とか、
大人になったから感じるものがいろいろある。
時代背景がわかると、ようやく意味がわかるものもあるし。

高校一年生、橋本治の『絵本 徒然草』を買って読んだなあ、
あれ、どうしたのかなあと捜索したら、
ちゃんと東京まで
持ってきていて、引っ越しのたびの処分をくぐりぬけ、

いまの家の本棚に入ってた。

そこで、ひたすら闇のような疑問だけが残った

「栗ばかり食べる娘」(『徒然草 気まま読み』#22)

について、橋本治はどんな解釈をしていたんだっけ、
と久しぶりに読み返してみたら、

スナック菓子ばっかり食べてご飯を食べないように、
栗ばっかり食べるようなアブノーマルな娘は、
なにも現代になって
出てきたのではなく、昔からいて、
つまり、昔も今もヘンなやつはいて、人間というのは、

そのヘンなやつの話が好きなんだ、ということだった。

・・・な、投げやりな。

ヘンな娘でも、親の欲目で、良いように解釈して、
公然と嫁に出す親
が多い中、きっぱりと
「こんなヘンな娘はアカン!」と考えた入道は、

筋が通ってる、とも解釈されていて、
若干投げやりだけど、なるほど、
と思えた。

部屋中に栗の殻を食い散らかした十二単の娘の
イラストは、怖かった。

確かにこんなホラーな娘を、平然と嫁に出したらアカン。

ちなみに、収録で使っているのは、
角川ソフィア文庫の「徒然草」(小川剛生訳注)です。

徒然草 気まま読み#25
「親しき人を見直す」


視聴はこちら!

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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