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笹幸恵
2019.6.12 13:46皇室

立憲民主党の論点整理【2】

立憲民主党の論点整理は、結論から言えば、
女性・女系天皇や女性宮家の創設を容認する
内容になっているのだけど、
そこに至るまでのプロセスが
じつに理路整然としている。

まず、安定的な皇位継承が不可能となっている
現状について、
「歴史上もっとも厳格な4要件」
【ア】皇統に属すること
【イ】嫡出であること
【ウ】男系の男子であること
【エ】皇族の身分を有すること
があるとして、その見直しを求めている。

また、その検討に当たっては、
1)安定性を制度的に担保できるかどうか、
2)歴史と伝統をふまえているかどうか、
3)国民の自然な理解と支持を得られるかどうか、
が重要な視点だとしている。

その上で、4要件を検討している。

1)では、男系男子の継承について、
皇位継承を極めて困難にする上、
偶然性に委ねる余地があまりに大きい」とし、
それは、
「皇族の方々に対して看過しがたい過度な重圧を
かけることになり適切とは思われない」
と述べている。
その通り!!!

また女性天皇を認めて女系天皇を認めない場合は、
一代限りの継承となるだけで安定的とはいえず、
「結局、特定の皇族に男子をもうけることへの
重圧がかかり続け」るとして退けている。


2)でも、とくに男系男子の継承について
どう考えるかが述べられている。
これは憲法第2条において
男系・女系の別は規定されていないこと、
戦後の政府答弁からもそれを明らかにした上で、
「男系による皇位継承を支えてきた社会的背景や
社会的倫理規範が変化した以上、男系に固執するあまり、
歴史と伝統の根幹をなす皇統そのものを途絶させることは
甘受できない
と結論づけている。

3)では、国民が皇室のあり方を理解し
支持する背景として、
●国民の心情の体現者
●わが国の歴史の継承者
●国家と国民の安寧に向けた祈りの具現者
という3点を挙げている。
これに則って考えた場合、男女の別はない(女だからと
いってその価値が減ずるものではない)としている。

こうしたプロセスを経て、安定的な皇位継承のためには、
女性・女系天皇、また女性宮家の創設も必要との
結論を導き出しているのである。

このほか、旧宮家系男系男子の皇籍取得という手段が
合理的とは言えないこと、
皇位継承順位についての考え方なども記されている。


個人的には、「はじめに」と「最後に」がシビれた。

「はじめに」では、生前退位のための皇室典範特例法の
成立過程が「まさに立法府の主体的な取組が結実するプロセス」
であったとして、
今回の安定的な皇位継承についても
「国民代表機関たる立法府の主体的な取組が必要」と
明言している。
これぞまさに政治家の心意気!!!!

「終わりに」では、その生前退位が一代限りの
特例法として整備されているが、今後は
「恒久的な制度として法制化すべき」であり、
そのための「議論も活性化させるべき」と
最後にねじ込んでいる格好だ。

とりあえずその場はしのいだからいいや、
ではなく、
今後も同じような事態が起きるだろうことを
想定しての問題提起。誠実な姿勢だと思う。

この理路整然とした文章は、じつに美しい。
小難しい表現は何一つ使っていないし、
言葉で何かをごまかそうとする姑息さも皆無。

以下のサイトからPDFをダウンロードできるので、
ぜひとも多くの方に読んでもらいたい。

https://cdp-japan.jp/news/20190611_1796

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院在学中。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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