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小林よしのり
2019.7.23 11:30日々の出来事

吉本興業と芸人のニセ・ファミリー崩壊

吉本芸人の「反社会勢力」との繋がり問題で、世間の
反応とわしの感覚があまりに差が開いていて笑う。

世間は宮迫と亮に圧倒的に同情的で、吉本の岡本社長を
悪人にしてバッシングしているが、記者会見で始めて
見た岡本社長は「なんや、普通のアホで迂闊で不器用な
おっさんやないかい」という印象だった。

それに対して宮迫の記者会見は「なかなか狡猾で芝居
がかってるな」というのがわしの印象だった。

FRIDAYが報じた「宮迫博之、半グレ金塊強奪犯と
ギャラ飲み現場写真」はデマなのか?
振り込め詐欺グループのパーティで闇営業して100万円
もらっていたのに「金はもらってない」と言ってた宮迫が、
今度は金塊強奪犯と個室で飲んでいたというスキャンダル
が出た。
宮迫が帰る際に、「同席していた男性が現ナマの札を数え
て、宮迫さんに『ハイ』と渡していたんですよ」と証言
する者もいる。
これは「ギャラ飲み」ではなかったのか?

ロンブー亮の記者会見は、相方の淳に相談もせずやって
しまったようだが、宮迫に操られているのではないか?
宮迫は他の芸能会社からオファーがあったので、「引退」
なんてする気はない。
むしろ自分のスキャンダルを覆い隠すために、吉本興業
を悪にして去って行こうという計画なのだろう。

わしが経営者なら、FRIDAYが次の矢を放つ恐れがある
中での記者会見はやらせない。
本人らが「引退してでも謝罪したい」と言っても、まだ
事実関係が完全に把握できない状態で、記者会見させて
引退させるわけにはいかない、そう判断した岡本社長は
人情味があるのではないか?

吉本興業は普通の一般企業ではない。
6000人の芸人が吉本ブランドを利用していて、社員も
600人いるという。
6000人の芸人のうち、プロとしての才能がある者は、
100人もいないだろう。50人くらいかもしれない。

もし吉本興業を一般企業にしたいなら、50人くらいの
芸人と契約書を交わして、最低賃金を保証するしかない。
あとの5950人は、吉本芸人として食ってくことはでき
なくなる。
才能もない芸人が世間の風に乗っかって、反体制気分で、
岡本社長を批難しているが、これで「ファミリー」とは
笑わせる。

吉本興業は、維新の会や安倍政権という権力者とも
ズブズブで、反社会勢力とも繋がる緩すぎる企業であり、
そもそも「笑い」をやる者が、権力に媚びをうるような
堕落を呈しているから、こんな事態になったのだ。
「笑い」をやる者は、権力者に媚びを売ってはならない。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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