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小林よしのり
2019.8.13 11:26日々の出来事

NHKスペシャル「日本新聞」のこと

昨日、寝る前に「NHKスペシャル」で、戦前最大の右派
メディア「日本新聞」のことをやっていた。
これは貴重な番組だった。
こういう番組は民法ではやれまい。

日本が大正デモクラシーで自由の空気を謳歌していた時代
から、たった10年余りで一気に軍国主義に傾斜していった
のは、「日本新聞」という国粋主義のメディアが重要な
役割りを果たしたらしい。

なんだかこの新聞、「産経新聞」に似た感じもあるのだが、
同志の名簿には、近衛文麿や頭山満や東条英機など、
そうそうたる名前が連ねられていたという。

空気を一気に変える威力としては、わしの『戦争論』に
通じるし、戦後、完全に忘れられていた頭山満の名前を
わざわざ出してくるところなども、わしの『大東亜論』を
意識したのかという邪推をしたくなる。

ロンドン海軍軍縮条約から「統帥権干犯」、天皇機関説
排撃などの世論を作ったのが「日本新聞」だったという
番組の主張だ。
日本が軍国主義に傾いたのは、いろんな要素があるので、
この一点が元凶と断ずることは出来ない。

言っておくが、頭山満は金玉均や孫文を支援していた
「大アジア主義」だったので、日本の覇権主義を肯定
していたとは思えない。

もともと「天皇主権」だった明治憲法を原理的に解釈
すれば、天皇機関説はある意味「解釈改憲」になり、
当時の国粋主義者が主張した意見は、明治憲法の初心
に戻る運動になってしまう。
つまり国粋主義者こそが「護憲派」だったことになる
のだ。
この辺の矛盾に目を向ければ、「解釈改憲」がいかに
危険かという話になるのだが、それはNHKも護憲派も
見ようとしないだろう。

明治憲法では軍の暴走を縛れなかった。
今の憲法も自衛隊を縛れない。
こういうコンセプトで番組を作ったら凄いのにね。
でもNHK、いい番組を作っている。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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