ゴー宣ネット道場

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高森明勅
2019.10.24 06:00日々の出来事

ドキュメント・10月22日

10月22日、「即位礼正殿の儀」当日。
朝から強い雨。
これでは国旗を掲げられない。

午前10時、新宿プリンスホテル玄関でテレビ東京が手配してくれた車に乗る。
「報道スペシャル・即位礼正殿の儀」などの番組に出演する為。
六本木へ。
テレビ局に入ると、まず、午前に行われた「賢所大前(かしこどころおおまえ)の儀」
などの映像を拝見。
その後、出演者と制作スタッフが集まって打ち合わせ。
私と同じくゲストの女優、宮崎美子さんも。
彼女とは平成29年の「昭和の日」のNHKスペシャルで共演した。
聡明で穏やかで控えめ。

12時40分、本番スタート。
いきなり儀式が始まるのが6分ほど遅れるハプニング。
スタッフは慌ただしく、手書きで指示を矢継ぎ早に出してくる。
我々出演者は、慌てず騒がず、淡々と落ち着いた風で、それに対応した(つもり)。
高御座(たかみくら)の御帳が開けられ、天皇陛下の輝くようなお姿を拝見した一瞬は、
息が詰まる思いをした。
神々しい瞬間だ。
陛下はゆったりと御笏(おんしゃく)を侍従に預けられ、紙に書かれた「おことば」を
読み上げられた。
おことばの内容もさることながら、まさに「天皇」たるに相応しい風格を感じさせる、
堂々たるご態度に感銘した。御帳台(みちょうだい)の皇后陛下のご表情からは、
さすがに極度の緊張感が伝わる。

安倍首相の「寿詞(よごと)」は、ご本人としては殆ど最高に近い出来だろう。
5月1日の醜態を挽回した。
…と思ったら、令夫人の服装が違和感を生んでいた事実を、後になって知った。

私は、この儀式に「美の祭典」という一面がある事を指摘した。
建物、設(しつら)え、服装、そして何より所作、振る舞い、儀式の流れの美しさ。
微かな木靴や衣擦(きぬず)れの音も美しかった。
「古代と現代の融合」という表現もした。
この日、この瞬間に、こうした形で立ち会える事を、光栄に感じた。

儀式が始まる頃には、午前中はあれほど激しかった雨も止み、青空さえ見えた
(虹が出たのを知ったのは後から)。
番組終了が午後2時。
幸い、番組は好評を得たようだ。
まず、番組の初め頃に2本だか短いCMを入れただけで、儀式が始まってからは
一切CM無し。
これは他の民放が出来なかった事。
次に、儀式が終わり、皇族方が退出されるご様子を、最後に高円宮家の承子(つぐこ)
女王殿下がご退出になるまで、ちゃんと放送したのは唯一、テレビ東京だけだった。
NHKでさえ途中で切って、カメラをスタジオに戻してしまった。
又、余計なテロップを入れるなど、小技を極力使わない方針を貫いた。
私の解説も喋り過ぎないよう、自制した(これが結構、難しい)。
以上の結果、視聴者には他局の放送で得られない臨場感や、厳粛な儀式自体が持つ
迫力を、
しっかり伝えられたようだ。

更に、手前味噌ながら、私の解説についても、分かりやすい、的確、重厚など、
高い評価を戴いた。
恐縮。

次の番組の打ち合わせまで、同じビルの喫茶店で休憩。
その間に、フジテレビから翌朝の番組へのVTR出演の依頼を受けた。
取材内容が呆れるほど低俗なのと、急な連絡で時間的にも対応不可能なので、
出演しない事にした。

午後4時45分から「ゆうがたサテライト」。
内容は私の提案を軸に据えてくれた。
「進化する即位礼」という切り口。他の番組には無い斬新な視点かと思う。
限られた時間の中に、かなり濃密な中身を詰め込んだつもりだ。
これは改めてブログで説明しても良いかも知れない。
午後5時20分に終了。

この日の出演は、実は5月1日の同局「剣璽等承継の儀」関連番組に出演した直後、
チーフプロデューサーから早々と依頼されていた。
何とか大役を果たせてホッとする。
その後、次の番組の為に新橋の日本テレビに移動。

BS日テレ「深層NEWS」。
これも生出演。
ゲストは、ベテラン皇室ジャーナリストの久能靖氏。
京都産業大学名誉教授で皇室に造詣が深い所功氏。
憲法学者で国士舘大学特任教授の百地章氏。
読売新聞編集委員・論説委員の飯塚恵子氏。
飯塚氏だけはよく存じ上げないが、私を除いて豪華メンバー。
司会は辛抱次郎氏。
放送は午後10時から11時。
同じ時間帯で進行している「饗宴の儀」の様子も折々紹介しながら、
皇位の安定的な継承を巡る討議。
百地氏は「男系男子」限定論。
所・久能両氏は「女性天皇」容認論。
私は改めて言う迄もなく、女性天皇だけでなく「女系天皇」も認めなければ、
皇室の存続は不可能になる、という立場。

番組的には百地氏と私を対立させて、所氏らの論に着地させようとしているのか、
と勝手に邪推していた。
しかし議論が始まると、百地氏と所氏がやたらと対立していたのは意外だった。
番組をご覧戴いた方は、百地氏の「国会議員アンケート結果」(週刊朝日が実施)の
紹介の仕方に驚かれたはずだ。
私は事前に同じデータを分析していたので、その場で直ちに問題点を暴露したものの、
殆どトリックに近い。
これも別にブログで取り上げても良いかも知れない。
私自身としては結構楽しく討議に加わった。
辛抱氏は、司会者としての力量は並みではないものの、テーマについて勉強不足が
露呈していたのは残念。
同番組での私の発言の一部などは翌日、「日テレNEWS24」でも紹介された。

終了後、日本テレビが手配してくれた車で帰宅。
饗宴の儀の影響で高速道路の規制が続いており、しばらく高速に入れなかった。
わが家に着いたのは23日の午前0時半過ぎ。
このところ、風邪気味が長く続いている。
体調に気を付けよう。

25日にはBS朝日の「激論!クロスファイア」(司会は田原総一朗氏)の収録。
対論の相手は安倍首相のブレーンと称しておられる八木秀次氏。
放送は27日午後6時~6時55分の予定という。

 

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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