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小林よしのり
2020.1.2 10:52日々の出来事

直感が衰えて集団自殺か?

「直感力」のない人が多すぎる。
グローバリズムを放置したままで、アベノミクスで
庶民に利益がトリクルダウンしてくるなんてあり
得ないとわしは最初の最初から「直感」して、主張
していたが、やっぱり一般庶民に恩恵はなかった。
デフレ脱出もなかった。
実質賃金は下がったし、景気も良くなってない。
株を持ってる奴だけが儲かった。

「アフガニスタン・ペーパーズ」で、米軍は負けて
いたのに、大統領はそれを隠して増派していたことが判明した。
わしは対アフガン戦争が始まったときに、テレビで
岡崎久彦と一対一の議論をしたが、岡崎は米軍は勝っている、米軍の勝利は間もなくだと言い張っていた。
わしは、アメリカは不利だと「直感」していたが、
人々は米軍が勝つと信じていた。

イラク戦争は中東を混乱させるだけで、大量破壊兵器もないと、わしは「直感」していたが、大馬鹿・従米ポチどもはアメリカが勝って、中東は民主化のドミノ倒しになると妄想を言っていた。

北方領土をプーチンが返してくれると思っていた連中も、トランプが金正恩と話し合って、核保有国への野心を断念させてくれると思っていた連中も、「直観」が弱い。

生前退位は二重権威になるとか、死ぬまでやるべきとか言ってた連中が、一気に令和礼賛に豹変し、今は女性・女系天皇は皇統断絶なんて言っているが、まるで
オウム真理教が信じた「ノストラダムスの大予言」と同じだ。
わしの「直感」では、双系で皇統は安定するし、
愛子皇太子で女性の地位向上は約束され、日本は将来に希望を感じる国になる。

日本は終身雇用をやめて、成果主義に切り替えるべきだと言う者がいるが、それは即戦力が求められるから、ノーベル賞につながる科学者の基礎研究が切り捨てられることになると、なぜ「直感」しないのか?
さらに共同体崩壊の加速につながり、弱肉強食の格差社会を容認することになるが、新自由主義で自己責任の社会では、全体の活力は落ちるということが、なぜ「直感」でわからないのだろう?

みんな「直感」が衰えているから、きっと断崖絶壁に向かってまっしぐらに走り、集団自殺したいのだろう。
わしはごめんですよ。別の道を行くからね。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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テーマ: ゴー宣DOJO in名古屋「人権カルトと日本人論」

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