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高森明勅
2020.1.20 06:00皇室

天皇と共産党

昭和47年のお誕生日を控えて、当時は皇太子であられた上皇陛下に、
記者から次のような質問がなされた。
「先の総選挙で天皇制に批判的な共産党が躍進する(第33回総選挙で38議席を
獲得して大躍進した)など、政治情勢が変わりつつありますが」と。
明らかに皇室に対して悪意を含んだ質問だろう。
しかも、次代の天皇たるべき皇太子に“政治的”な発言を求めたに等しい質問で、
その点からも非常識だった。
これに対するお答えは以下の通り。「日本の皇室はヨーロッパなどと違い、政治から離れているのでどうということは
ありません。
天皇陛下(昭和天皇)からもかねがね、これまで時の政府がどう変わろうと、
永続してきたところに意味があると聞かされています。
明治以降、政治にかかわりを持たれたこともあったが、本来は政治から中立的で、
それらを越えたものであり、今後もそうあらねばならないと思っています」と。

共産党が「天皇制」への姿勢を大きく転換する以前のご発言だ。

当時は、共産党を加えた民主連合政権の樹立にも、一定の現実味が感じられていた。
そうした政治情勢の中でも、「どうということはありません」と言い切っておられる。
お見事な泰然自若ぶり。

政治を越えた皇室の在り方と、それへの国民の信頼に、強い自信をお持ちだったのだろう。
現にその後、共産党の側が、皇室への態度を改めざるを得なくなった。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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