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高森明勅
2020.3.2 06:00皇室

「立皇嗣の礼」は辞退できない

4月に予定されている「立皇嗣の礼」は、
前代未聞のいささか不思議な儀式。
だから秋篠宮殿下ご自身が辞退されてはいかが、という声も耳にする。或いは秋篠宮殿下ご自身は、(自ら“皇太子”というお立場との違いを自覚され、又、年齢的な制約によってご即位されない可能性が高いことから)個人的には辞退されたいお気持ちかも知れない。しかし、それは出来ない。
何故か。
この儀式は憲法に定める“天皇の国事行為”として行われるからだ。
改めて言う迄もなく、国事行為は専ら「内閣の助言と承認」
によって行われる(3条)。
つまり、内閣の“意思”に基づく。
しかも、主体は皇嗣ではなく「天皇」。
その儀式の中身も、立太子の礼に準じて、天皇陛下が「文仁親王が
(皇太子ではなく)皇嗣であることを、広く内外に宣明」なさる
“おことば”をお述べになり、それを受けて秋篠宮殿下がご決意を
表明されるものになろう(その後に首相の祝賀の寿詞〔よごと〕も)。

だから、既にその挙行が閣議決定された(平成30年4月3日)以上、
もし秋篠宮殿下がこの儀式を辞退されたら、畏れ多くも天皇陛下
ご自身が「憲法違反」を犯されることを意味する。

天皇という地位の尊厳と、わが国の法的秩序に求められる権威が、
決定的に傷つけられる結果になる。
だから、それはあり得ない。
なお、新型肺炎感染の恐れから、この儀式(主に饗宴)の
縮小が検討されているらしい。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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