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笹幸恵
2020.3.25 16:10日々の出来事

「従軍」慰安婦は存在しない

中学校の教科書検定で、「従軍慰安婦」の呼称が
復活したと産経新聞が報じていた。
記事にはこう書かれている。

新規参入の山川出版は「戦地に設けられた
『慰安施設』には、朝鮮・中国・フィリピンなど
から女性が集められた(いわゆる従軍慰安婦)」と記述した。

(いわゆる従軍慰安婦)と記したことで、
「あくまでも俗称」と言いたいのかもしれないが、
これは教科書である。何が「いわゆる」だ。
言葉が独り歩きするような表現は慎むべきだ。
「従軍」とは、軍との雇傭関係がある場合に使われる。
従軍看護婦、従軍記者など。
彼らは軍人ではなく、軍属である。
軍属には大別して3種類あり、立場はピンキリ。
1)教官とか技術官とか法務官といった文官
(一般官庁と同じ高等官や判任官の区別がある)
2)官吏ではないけれど公務に従事する雇員
3)雑役その他に使用する傭人

慰安婦が軍との雇傭関係にあった(従軍慰安婦であった)のなら、
このいずれかの形で、軍属として
徴用されていなければならない。
各地に散らばった軍隊の生活面を支える
さまざまな施設やサービスは、便宜上、
「軍指定」となることはあっても、
それは、施設の管理者やサービス提供者が
軍属になることとイコールではないのだ。

従軍看護婦と戦場慰安婦とがごっちゃになって
従軍慰安婦などという言葉ができあがったのだろう。
定義があいまいなまま使われてきた「職業軍人」も
そうだけど、ちょっと勉強すれば全く意味不明な
造語であることがわかるはずだ。

執筆者も文科省も、果たして歴史に対して
誠実だといえるのか???


笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院在学中。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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