ゴー宣DOJO

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笹幸恵
2020.3.26 19:35日々の出来事

トイレットペーパーの次は食料か!

今日は一日、ガダルカナルの戦争経験者の
インタビュー記事をまとめていた。
完全引きこもり。
さっき娘から「スーパーに何もない!」との連絡があって、
世の中が食料の買い占め・買いだめパニックに
陥っていることを知った。
昨晩の小池都知事の外出自粛要請で、
皆がスーパーに買いに走ったのか。
バカバカしい。
泡食って買いに走らなければ、流通はマヒしないで
済むというのに。
パンが手に入らないことに怒った大衆は、なぜか
パン屋を襲撃する。『大衆の反逆』に記された一節。
食料が手に入らなくなるかもしれないと恐れた大衆は、
慌ててスーパーに押し寄せる(そしてスーパーの機能が停止する)。
いずれも目先のことに振り回され、
本来目を向けるべき事柄を見失っている。

原稿をまとめていたのは、ガダルカナルからの撤退直前、
日本軍の総攻撃が失敗し、補給は途絶、米は一粒もなく、
岩の苔をむしって口にしながら陣地を死守した時期の話。
すっかり「脳内ガ島」になっていたから、
内地(現実)とのギャップにいまだ頭が追いついていない。
苔しかなくても戦闘意欲を失わなかった人々と、
たかだか外出自粛要請が出たくらいで泡食う人々と、
同じ国民なのだろうか・・・。

苔をむしって食え、とは言わないけれど、
戦闘するわけじゃないんだから、
そんなに買い込まなくてもいいんじゃない?
便利でモノが豊富にある「恵まれた生活」を
必死になって維持しようとしなくても、
人間は生きていけるよ。
そんなちょっとした開き直り、というか、
肝の据わり方次第で、医療も食料も
必要な人のもとに届くと思うけどなあ。

いざ冷蔵庫の食料がなくなったら、
庭でジャガイモでも育てよう。
食料はスーパーにあるもの、とは限らない。

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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