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高森明勅
2020.10.1 06:00皇統問題

一代限りの「女性宮家」?

皇位の安定継承を目指す制度改正を巡って、
“旧宮家”案は既に政府の選択肢から外されているようだ。
男系論者の間からも、旧宮家系国民男性に皇籍取得をお願いするのは
「特攻隊に志願して戴くようなもの」という指摘がある位だから、
政府高官が「グロテスク」と感じるのもやむを得ないかも知れない。

そもそも、「男系男子」という“縛り”を維持したままでは、
万が一、何人か旧宮家系男性の皇籍取得が可能になったとしても、
安定的な皇位継承には繋がらない。

しかし、政府が旧宮家案を排除しても、油断はできない。
真っ当な解決策を取り上げるとは限らないからだ。
それどころか、政府のこれまでの国会での答弁を少し詳しく分析すると、
警戒が必要なことが分かる。

①「皇族数の減少など」については「先延ばしすることはできない」としつつ、
一方、②「安定的な皇位の継承を維持する」為の取り組みについては
「極めて重要な問題」と述べるにとどめている
(平成31年3月13日、参院予算委員会での安倍首相〔当時〕の答弁)。

これは、ご譲位を可能にした特例法の附帯決議の趣旨
(①②共に「先延ばしすることはできない」とした)を、
巧妙に歪(ゆが)めるものだ。

この答弁からは、当面、内親王方のご結婚によって皇族数が減少するのを、
“ごく限られた期間”手当てするだけ、という姑息(こそく)な
話になってしまいかねない。

具体的には、一代限りの「女性宮家」というプランだろう。
しかし、それは“目眩(くら)まし”に過ぎない。
「男系男子」という縛り自体の見直しに手を着けなければ、
女性宮家の当主や女性宮家のお子様が即位することは出来ない。
それでは一体、何の為の女性宮家なのか分からない。

当事者の方々に対しても、非礼極まる。
そんな目先だけの“数合わせ”のような女性宮家ならば、
むしろこれまで通り、ご結婚と共に国民の仲間入りをされて、
自由にお暮らしになって戴くべきだろう。
くれぐれも要注意。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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