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高森明勅
2021.1.8 06:00皇室

天皇と裁判

憲法上、天皇は特別な地位にある。
天皇という地位の特殊性を端的に示す1つが、天皇に民事・刑事の
裁判権が及ばないという事実だろう。
次のような指摘がある。

「まず、①刑事裁判については、皇室典範が摂政について在任中の
訴追を禁止する規定を置くことから(典21条。また国事行為の臨時代行に
関する法律6条参照)、天皇には刑事責任がないものと解されている。

次に、②民事裁判については、最高裁によれば、
『天皇は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であることにかんがみ、
天皇には民事裁判権が及ばないものと解するのが相当である』とされる」
(大石眞・大沢秀介編『判例憲法〔第2版〕』)。

これは、「象徴」に求められる“超越性”ゆえだろう。
帝国憲法では、天皇の法的無答責を明文で規定していた。

第3条に「天皇ハ神聖ニシテ侵(おか)スベカラズ」とあったのが、それだ
(同条は、一部で誤解されている神格化を意図したものではないので、念の為に)。
上記の事実から判断すれば、その趣旨は今の憲法下でも失われていない、と言えよう。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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