去る3月26日、延期されていた宮中の歌会始が
皇居の宮殿(松の間)で催された。
今年のお題は「実」。
一般から詠進された和歌も1万3657首に達した。
その中から10首が選ばれる。
これを「選歌」と言う。
又、「佳作」とされた和歌も18首あった。
それらの中から、私の印象に残った作品を紹介しよう。
シールドの
向かうの客に
釣り渡す
架空のやうな
現実にゐる
(広島県、山本美和さん)
いにしへの
海を渡りし
船のごと
草の実つけて
子は帰り来る
(東京都、佐伯なぎささん)
実感が
どうしてもない
私が
中学一年
だといふことが
(長崎県、久田桃香さん)
なお、妻の高校時代からの友人の和歌も、
佳作に選ばれた。
素晴らしい。
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