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高森明勅
2021.10.1 10:00皇統問題

皇位継承と「男女平等」を巡る初歩的な誤解について整理する

憲法学者で改憲論者の駒澤大学名誉教授、西修氏。

保守の論客としても活躍され、平成30年には
産経新聞社の正論大賞も受賞された。
その西氏が次のような指摘をされている。

「皇室典範第1条は、皇位の継承を皇統に属する
男系の男子に限定している。
この規定は、男女平等を定めている憲法第14条に
反するといえるのではないだろうか。
なぜ皇位は男子のみが継承しなければならないのか。
その合理的理由が、私には理解できない。

憲法第99条は、天皇にこの憲法を尊重し擁護する義務を負わせている。
特別な理由がないかぎり、天皇は、率先して憲法を
守っていかなければならない」(『日本国憲法を考える』)。

こうした意見に対して、政府はこれまで以下のような説明をして来た。

「(憲法)第14条と(皇位の世襲を定めた)第2条との関係は、
第2条は第14条の特別規定というふうにわれわれは
考えるのでございまして、憲法に違反するものとは考えないのであります。
一面、皇位が世襲であるということは、歴史的な意味の入ったことだと
私どもは考えているのでございまして、
日本の天皇は、過去におきまして男系の一系の方が
世襲しておられる、そういう前提のもとに皇室典範も
考えておるのであろうと思います」
(昭和39年3月13日、衆院内閣委員会での宇佐美毅宮内庁長官の答弁)

しかし、「男女平等」原則の例外となる制度に「合理的理由」が
認められるとすれば、それはあくまでも「特別規定」である
憲法第2条が求める、皇位の安定した「世襲」継承という
目的に“合致”する限りにおいてのことだ。

しかし、「過去におきまして男系の一系の方が世襲しておられる」
ように見えるのは、側室制度と非嫡出の継承可能性が
支えていたからで、それが排除された条件下では、
皇室典範の「男系男子」限定という今のルールは、
皇位の安定継承を不可能にし、むしろ憲法の第2条の要請に反する。

その要請に応える為にはどうすべきか。
明治以来の「男系男子」限定を止めて、男系にも女系にも、
男子にも女子にも、“平等”に皇位の継承資格を認める必要がある。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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