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高森明勅
2021.10.2 12:00皇統問題

国民の1人として眞子内親王殿下に伏してお詫び申し上げる

宮内庁が10月1日、秋篠宮家のご長女、
眞子内親王殿下が「複雑性PTSD」と診断される状態であるとの
発表を行った。
これまでの経緯からして当然、予想できたはずのことだ。
しかし、改めて正式な発表に接すると、
胸が張り裂けるような気持ちになる。

《同じ国民としてお詫び申し上げる》

週刊誌やテレビのワイドショーなどの執拗で悪質なバッシング。
それを真に受け、更に妄想を膨らませて、ネット上で
悪口雑言を並べ立てる匿名の群れ。
皇族を1人の「人間」と考えていたら、とてもできない
野蛮極まる振る舞いだ。

しかも、その標的になったのは、まだ20歳代の若い女性だった。
更に婚約内定のお相手の小室圭氏の場合、皇族でもないのに
裏取りも不確かな風聞をもとに(週刊誌は匿名の発言で埋め尽くされた)、
常軌を逸した人格攻撃に襲われた。
お2人が長い間、耐え続けられたそのような誹謗中傷の嵐に対し、
何も為し得なかった無力を省みると、慚愧に堪えない。
又、同じ国民の1人として、幾重にもお詫び申し上げたい。

《皇室を襲うバッシング》

上皇后陛下が、週刊誌などの事実無根の非難を浴びられて、
強烈なストレスの為に倒れられ、半年間もお声をが出ない
失声症になられた事実がある。

皇后陛下は、現在もご療養を続けておられる。
そして今、眞子殿下のご症状が明らかになった。

しばしば扱う内容の信憑性に疑問を抱かざるを得ないメディア
(週刊誌やテレビのワイドショーなど)による
集団リンチのような報道と、それに無反省に煽られた
人々の狂騒ぶりは、もはや皇室それ自体の存続を
危ぶませる領域にまで、達していると見るべきだろう。

眞子殿下の父宮、秋篠宮殿下は、現行のルールでは
「皇嗣」とされている。
だが、かねて皇位継承を辞退されるお気持ちが伝えられ、
宮内庁もそれを否定していない。
青春多感な時期に当たっておられる悠仁親王殿下は現状、
皇位継承順位が第2位とされている。
しかし、ご自身の姉宮がこのような目に遇われている様子を
間近にご覧になって、一体どうお考えなのか。
眞子殿下に無軌道なバッシングを繰り返して来た国民の為に、
ご自分のたった一度限りの人生を犠牲にされることを、
果たして納得されるだろうか。
敬宮(愛子内親王)殿下や佳子内親王殿下のお気持ちはいかがか。

《皇室にとどまる方がいらっしゃるか?》

政府が、有識者会議に目先だけの皇族数の確保策を検討させても、
当事者の(眞子殿下を除く)未婚の女性皇族方が、
ご結婚後もそのまま皇室にとどまることを望まれるか、どうか。

普通の民間人で、眞子殿下とのご結婚後も当然、
そのまま民間人であり続けられる小室氏でさえ、
このような状態ならば、もしも旧宮家系の国民男性が
養子縁組で皇族の身分を新たに取得した場合、その当事者はどのような
“暴風雨”に捲き込まれるか、予測し難い。
そんな状況で、敢えて皇室に入ろうと考える人がいるか、どうか。

商売ネタとして、見境なく皇室バッシングを繰り返す
週刊誌やテレビのワイドショーは、皇室を滅ぼそうとしているのか。
私がかねて訴えて来た、皇室の方々が事実上、刑法の名誉毀損や
侮辱罪の適用外に置かれ、法的に名誉と尊厳が
全く保護されていない状況を、いつまでも放置していないで、
速やかに是正すべきだ。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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