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倉持麟太郎
2021.10.28 18:09

『選挙より大事なものがあるから投票に行こう~私たちの一票マニュアル』@論座に寄稿しました!

超逆説的タイトル
キラキラした感じとか、恍惚とした表情で、「選挙権という大事な権利を…」とか、「投票というのは大切で…」と言われても、そう思ってない人は、共感しませんよね。
一方で、大事な権利じゃないわけでも大切ではないわけでもないわけです。
さらに他方で、「現状がおかしいから」「現状に不満があるから」選挙に行こう!&「変えよう」という叫ぶことは、現状をおかしいと思ってない人や現状に不満がない人を動かしません。
ましてや、「優秀でおまえらより偏差値の高い我々は現状がおかしいことがわかっているから、それを変えようとしないことは怠慢であり退廃である」という香りがした瞬間に、全く響かない言葉として、宇宙の彼方に飛んでいきます。
そして、現代日本社会はそういう人々が相当数いるということだし、それが「悪い」ということではないんじゃないかと思うわけです。
しかし、本当にただただ「現状維持」できているのかという点、その人達が現状維持できてるのって、誰か、自分の意思や努力ではどうしようもない社会のエアポケットに落ちてしまっている人や、「選択」ができない人の生の営みがあるから、「現状維持」できていると思い込んでるだけなんじゃないの?
根源的に憲法的価値によって保たれている一線や共通言語があるからなんじゃないの?
ここでロールズ登場です。
自分の属性を一回初期設定化する「無知のヴェール」をかぶって社会的政策ください。もしかして自分が障がいをもっていたら、社会的・構造的に強くいられないジェンダーであったら、高齢者だったら、非正規のシングルだったら…自分がそういう状況になるかもしれないと思ったら、その人達が不当に虐げられる政策を選べないはずです。
現状に不満がなくても、おかしいと思ってなくても、無知のヴェールをかぶって投票先を考えてみてください。それは、きっとまだ見ぬ誰かの善き生に貢献できています。
他者にもうちょっとだけ優しくなるために、投票を利用してみませんか。そして、今失われつつあるのが、この、ちょっとだけ自分とは関係ない他者が、自分の意思や努力ではどうしようもないことで傷ついたり苦しんだりしているということへの「まなざし」です。
そしてそして、他者にちょっとだけ優しくなる方が、選挙よりずっと大事なことですよ、やっぱり。
と、いうことで、超絶に逆説的ですが、「選挙より大事なものがあるから投票に行こう」
これが、現状、選挙・代議制民主主義に絶望する私が投票に行く理由です。
倉持にしては短いので、是非読んでみてください。
記事はコチラ
また、昨日のクソすば#27『眞子さまご結婚と日本社会』でも、無知のヴェールのお話をしました。
無知のヴェールをかぶったら、本当に眞子さまや小室さんに対してあんなバッシングできますか??
また、少しでもご負担を軽減した状態で皇室制度の安定的継承を望みませんか?
自分がそれを受ける立場にもなることは絶対ないとわかりながら、反論権がないことをわかりながら、安全地帯から誹謗中傷をする。
こんなものは公共性もなく、マスメディアの有する報道の自由の濫用です。
また、憲法や立憲主義からご譲位から眞子さまご結婚までの一連の事実を眺めると、まったく違う風景が広がっていました。
そんなことを議論している昨日の番組も是非ご覧ください!
動画はコチラ
倉持麟太郎

慶応義塾⼤学法学部卒業、 中央⼤学法科⼤学院修了 2012年弁護⼠登録 (第⼆東京弁護⼠会)
日本弁護士連合会憲法問題対策本部幹事。東京MX「モーニングクロ ス」レギュラーコメンテーター、。2015年衆議院平和安全法制特別委員会公聴会で参考⼈として意⾒陳述、同年World forum for Democracy (欧州評議会主催)にてSpeakerとして参加。2017年度アメリカ国務省International Visitor Leadership Program(IVLP)招聘、朝日新聞言論サイトWEBRONZAレギュラー執筆等、幅広く活動中。

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