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笹幸恵
2022.1.23 00:36皇統問題

週刊新潮には、有識者会議の報告書の内容を徹底検証してほしい。コロナワクチンと同じように。

現在発売中の『週刊文春』『週刊新潮』1/27日号。
皇室に関する記事はそれぞれ次のとおり。

文春
悠仁さま「東大計画」 紀子さま お受験の葛藤

新潮
特集 焦燥「佳子さまの乱」 私はこう考える

文春は、先週の新潮が意地悪く書いた
「悠仁さまの進学先」に関する内容をやわらかく、
何を言いたいのかよくわからないほどに
やわらかく書いている。

主な内容は3つ。
①愛子さまの歌会始でのお歌の素晴らしさ、
さらに学業成績も優秀。
ただし雅子さまは学歴にこだわりはない。

②一方で学者になりたかった紀子さまは
悠仁さまの東大進学を考えている。
秋篠宮家の自由を重んじる家風とあいまって、
筑波大附属高校から東大を目指すのではないか。

③史上初めての東大出身の天皇が誕生するかもしれない。
秋篠宮ご夫妻の果たされる役割は大きい。

冒頭で愛子さまをとことん褒め称え、
次に悠仁さまも勉強に励んでいるとフォロー。
先週の新潮同様、
「帝王学にまで手が回らないのではないか」と懸念する
宮内庁関係者の声も一応は載せているものの、
それに対する深掘りはなし。
文春は本誌(月刊『文藝春秋』)で女性女系天皇
容認論を展開していることもあり、
何というか、玉虫色の着地、という印象。

一方の新潮は、有識者会議の報告書が提出され、
議論が国会に移ったこと、とりわけ女性皇族の
お立場がガラリと変わりかねないこと、
「私」を選んだ眞子さんと同じように、
佳子さまが「乱」を起こしかねないとした上で、
さまざまな識者の意見を掲載している。

新潮は、やたらと「公」と「私」を持ち出し、
眞子さんは「私」を優先させたのだという
悪意ある印象操作を行っているが、
これはすでに1/7のブログで指摘した。

「皇室を崩壊の危機に追いやっているのは誰か?」
https://www.gosen-dojo.com/blog/33416/

さて、「佳子さまの乱」に関する識者のコメント。

皇室ジャーナリストの神田秀一は、
有識者会議の報告書は中途半端とした上で、
佳子さまはやはり結婚して自由になりたいという
思いがあるのではと述べている。

報告書に関する見解は同意。

関東学院大学教授の君塚直隆は、
相変わらず佳子さまの公務の少なさに言及、
ご公務の代わりに自由な時間が多い環境では、
公の意識を育むことは望めないと述べている。

公の感覚って、ご公務の数で決まるのか??
しかも、女性皇族の置かれた立場を度外視して、
無私の精神を皇族に無条件に求めている。
エリザベス女王の公務と比較されてもなあ・・・。

静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次は、
有識者会議の報告書の問題点をズバリ指摘している。
報告書の「女性皇族が結婚しても皇室に残る案」について、
・皇族と一般人とが一つの家族を作るというのは、
公平性の観点から疑義がある。
・重要なのは女性皇族に皇位継承権を認めるか否かで、
ご公務の負担を分担するためだけに結婚後も皇室に
残っていただくというのは本末転倒。
・皇室典範を改正するにしても、きちんと皇族方が
家族生活を営めるような内容にすべき。

眞子さんの結婚に関するこれまでのコメントは
全く頷けないものばかりだったけれど、
皇位継承問題に関しては
問題意識を共有できて嬉しい。

家族問題カウンセラーの山脇由貴子は、
自由意志を尊重する秋篠宮家の方針に問題が
あったのではないか、
佳子さまは姉の騒動を見ているから
「きれいな形」で皇室を出ることを
目指すのではないかと述べている。

仮定と一般論のみで、皇室のことを語る。
あまり意味があるとは思えない。

コラムニストの辛酸なめ子は、
皇室に身を置くことには「向き不向き」が
あるのではないか、
佳子さまは明確なメッセージを出される可能性もある
と述べている。

皇室ウォッチャーの茶飲み話。


新潮は、小室圭さんの二度目の司法試験の
結果が出るまで、あの手この手で皇室ネタを
引っ張るつもりだろう。
ならば、有識者会議が出した、全く的外れの2案を
どんな形でもいいからトコトン検証してほしい。
新潮は、コロナに関してもワクチンに関しても
冷静な立場を貫いてきた。
今週号だって、ワクチン接種に関する疑問に答え、
何が何でも2類にしておきたい玉川徹を批判している。
文春よりはるかに真っ当なのだ。
なぜ皇室では低レベルな記事を続けるのか。
辛酸なめ子はもういいから。

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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