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笹幸恵
2022.2.4 16:52皇室

NY総領事がはかる便宜ってなんだ?

今週の週刊文春、週刊新潮(2/10号)。
どちらも秋篠宮ご夫妻が、新しく赴任するNY総領事と
面会したことを伝えている。
どちらも「ただそれだけ」だが、
書き方のニュアンスがまるで異なる。

文春
「なぜ私ばかり・・・」
眞子さん佳子さまの不信
秋篠宮の「転向」

煽りタイトルで4ページの記事が組まれているが、
そのうち3/4は父娘の関係についての湿っぽい振り返り。
秋篠宮さまの友人やら知人やら宮内庁関係者のコメントを入れつつ、
まるで見てきたかのような親子の姿が綴られている。

タイトルにある「なぜ私ばかり・・・」は、
お姉さま方と悠仁さまでは秋篠宮さまの接し方が異なり、
それを不満に思った佳子さまの言葉(だそうだ)。

「転向」も、何のことかと思えば、
これまで娘の気持ちに寄り添ってきた秋篠宮さまが
眞子さんの結婚で「納采の儀を行わない」と決めたこと。
これを、文春は「皇嗣としてのお立場を優先させた」と
表現している。
いや、人の心理ってそんな単純ではないと思うけど。

いずれにしても、なんだかタイトルのちぐはぐ感が目立つ。

で、メインであるはずのNY総領事との面会は
最後にちょこっと触れるのみ。
「秋篠宮さまは眞子さんのNY生活を心配している、
総領事の赴任は、娘の生活を知る手がかりにもなる」と、
宮内庁関係者がコメント。
まあ、そりゃそうだよね。

締め括りはこれ。
「かつては“同志”だった父と二人の娘の間に
生まれた亀裂。新総領事がその架け橋となるのか」

ううむ、なんか情緒あふれる表現で、
逆に鼻白んでしまうのは私だけか。


一方の新潮は、湿っぽい家族関係の記述は一切なし、
ワイド特集の複数ある記事の一つで、トップとして
これを取り上げている。

「秋篠宮」が新「NY総領事」と
異例の赴任直前「面談」
と、タイトルは普通だが、リードから悪意たっぷり。

(娘を心配する)親心はわからないでもないが、
皇嗣というお立場でそれが発露されれば、
あらぬ誤解が生じてしまう。
世間が”皇室特権”に目を光らせる昨今なら、
なおさらである。

あらぬ誤解ってなんだ。
皇室特権ってなんだ。
世間が~と、さも世論を汲み取っているかのような
口ぶりだが、それを煽ってきたのは新潮だ。

と、最初からブツブツ言いたくなる書き出し。

挙句、NY総領事との面会については、
「挨拶程度だと説明されても、娘夫妻への便宜を
お願いされたのではないかと疑念を持たれてしまう」
とベテラン皇室担当記者に語らせ、
「再びの司法試験が迫る小室圭さんにとって
心強い”援軍”になってしまうのか」
と意味のわからない一文で締めくくっている。
便宜ってなんだ?
援軍ってなんだ??
総領事はアメリカの司法試験に圧力かけて
特定の人を受からせることができるとでもいうのか?
バカ言ってんじゃないよ。

何が誤解なのか、何が特権なのか、
何が便宜なのか、援軍が何を意味するのか、
さっぱりわからないまま、ただ秋篠宮家への
不信感を煽ろうという意図のみで書かれた、
悪意ぷんぷん、中身スカスカの記事。

秋篠宮さまへの同情を禁じ得ない。
小室圭さんと同様、
何をしても悪意にとられ、疑いの目を向けられ、
ほとんどいちゃもんに近い難癖をつけられ、
それがまるで事実であるかのように流布される。

もういい加減にしろ。
天皇を、皇室を、戴く資格があるかどうか。
国民には今それが問われているというのに。
笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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