ゴー宣ネット道場

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笹幸恵
2022.4.6 17:42日々の出来事

昭和20年8月15日以降のソ連軍。

玉川徹は、「太平洋戦争の話」をよく持ち出し、
自分でもよく知っているつもりなのだろう。
けれど通り一遍の知識で、しかも人命尊重という
観点のみで断罪的なので、ことごとく的が外れる。
コロナ対策でガダルカナルの戦いを持ち出したときも
そうだったけど、ロシアのウクライナ侵攻もまた然り。

ウクライナが降伏すれば戦争が終わると
本気で思っているのか。
トッキーも先日のブログで指摘していたけれど、
日本はソ連を仲介にして和平交渉をしようとしていた。
ところが中立条約はいとも簡単に破られた。
満州を南下してくるソ連兵に多くの日本人は蹂躙された。

それだけではない。
ロシアは南樺太や千島列島にも侵攻してきた。
日本がポツダム宣言を受諾した後。
南樺太の真岡郵便局で電話交換手をしていた女性たちは、
ギリギリまで任務を全うし、そして自決した。
占守島では、復員待ちしていたところにソ連兵が上陸し、
戦車第11聯隊や航空部隊が懸命にロシアを食い止めた。
ソ連は、降伏を受け入れてから正式に調印するまでの
合間に、侵攻してきたのだ。
北千島での日本軍の抵抗がなければ、
北海道の北半分はソ連領になっていただろうとも
いわれている。
降伏した後だって、戦いは続いていたのだ。

そればかりか、満州や樺太、千島にいた兵士たちは、
ソ連軍に帰国できるといわれて船や汽車に乗せられ、
シベリアに送られた。
その数、575,000人。
彼らに待っていたのは、強制労働、飢餓、凍傷、凍死。

戦争をテーマにした報道があっても(8月以外はほとんどないが)、
だいたいは8月15日(玉音放送)をもって戦争は終わったとされている。
でも本当は違う。
15日以降も、北方ではソ連軍との戦いが繰り広げられていた。
さらに何年も酷寒の地で苛酷な労働に駆り出された人々がいた。
彼らは忘れ去られた人々か?

脳天気な人命絶対原理主義者が存在することに、
つくづく戦後日本のあり方はこれで良かったのかと思う。

敗北と虚脱、そして厭戦気分の蔓延した戦後日本で、
日本軍は悪、戦争で死んだ人々は無駄死にだったと
言われるようになった。
けれど本当にそうだろうか。
南方で、北方で、あるいは特攻隊員として、
はたまた戦後に戦犯として死んだ人々は
無駄死にだったのか。

彼らが無駄死にだったかどうかは、
今を生きる我々が「どう生きるか」に
かかっていると私は思っている。
彼らが生きたかったであろう未来に生きる我々が、
彼らの死の意味を決める。
命に代えても守るべきものがあると
想像することすらできない人間を育てることが、
彼らの意に沿ったものだとは、
私には到底思えない。

ことは戦争の話に限らない。
コロナ騒ぎは「死にたくない狂騒曲」だ。
かつての日本軍将兵からしたら噴飯ものだ。
男系男子しか天皇になれないなどとエセ伝統を
まき散らす男系原理主義者の声も、
安定的な皇位継承を極めて危うくしている。
それは死者たちが守り続けてきた
「この国のかたち」を破壊するに等しい。

このままでいいのか、日本。
少しでもそう感じる方は、ぜひ5/3のゴー宣道場へ。
あるべき議論が、ここにあります。

【第105回 ゴー宣道場】
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■日時:令和4年5月3日(火・祝)14:00〜17:00
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笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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