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高森明勅
2022.8.8 09:00皇室

暮らしを巡る国際比較から見た伝統ある立憲君主国の優越性

先に、①健康=平均寿命、②豊かさ=1人当たりの名目GDP、
③自由と人権=体制自由度という基準によって、
現代世界における君主国の位置付けを試みた
(ブログ「平均寿命、1人当たりのGDP、体制自由度から見る
『君主国』」7月17日公開)。

その結果、①平均寿命が“80歳以上”、②1人当たりの名目GDPが
“3万ドル以上”、③体制自由度(政治的権利40点満点+市民自由度60点満点)が
“90点以上”という指標を設けた場合、①②③をすべて兼ね備えている国々は、
わずかに19ヵ国で(この中に、今のところ世界最大の経済・軍事大国である
アメリカは含まれない)、そのうち“12ヵ国”が君主国という結論を得た。

これは、世界中で君主国が(英連邦王国15ヵ国を含めても)
42ヵ国しかない現実を考えると、君主国(具体的には“伝統ある立憲君主国”)
の優越性をハッキリと示していた。

これに、更に④治安=殺人発生件数という基準を追加すると、どうなるか。
10万人当たりの殺人発生件数がわずか“1件以下”という厳しい指標を設け、
国連の犯罪調査統計(2020年)によって上記の①②③を兼ね備えた
19ヵ国に当てはめてみる。
すると、7ヵ国が脱落して12ヵ国だけ残った(革命で君主制を滅ぼし、
革命に伴う内戦と対外戦争で155万人もの死者を出して、
近代国家への転換を果たしたフランスは、残念ながらここに含まれていない)。
具体的な国名を挙げると以下の通り。

日本、ルクセンブルク、イタリア、スイス、ノルウェー、オランダ、
スペイン、アイルランド、オーストリア、デンマーク、台湾、オーストラリア、

これらのうち、7ヵ国は君主国だ(オーストラリアは言うまでもなく英連邦王国)。
世界で国の数は約200ある(わが国が現在承認している国は195ヵ国で、
それに日本を加えると196ヵ国。ただし日本が承認していない北朝鮮は
国連加盟国。又、台湾は“地域”でなく国と見るべきだろう。
他にパレスチナなど微妙なケースもある)。

その中で、上記の12ヵ国は“最も恵まれた”国々と言ってよいだろう。
そのうち、君主国は共和国に比べて遥かに数が少ないのに、
半数以上の7ヵ国も占めている事実は、伝統ある立憲君主国の場合、
一般の共和国と比べて、国民の幸福への貢献が格段に“大きい”
ことを示している。

なお普通、人口規模が大きくなれば、それだけ治安が悪化して、
殺人発生件数も増大しがちだが、天皇・皇室を戴くわが国の場合は
国民の数が1億人を越え、先の国々の中で飛び抜けて人口が多い
にもかかわらず、その件数はわずかに0.25件(つまり40万人〔!〕当たり1件)
という低さだ。

私は、わが国の将来において、「共和国万歳!」
という叫び声を聞きたいとは思わない。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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