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笹幸恵
2022.9.22 15:19皇統問題

竹田恒泰「男系天皇の伝統」のうそっぱち

産経によると、和歌山の「正論」懇話会の講演会で
「2千年以上続く男系天皇の伝統を守ることが大切」
と、味噌汁ウンコ竹田(注)が語ったという。
(注)竹田恒泰は女性・女系天皇の誕生を
「味噌汁にウンコが入ったようなもの」と表現。
よって甚だ下品で不本意ではあるが、
その品性下劣さをきちんと示すため、
ここでは竹田を「味噌汁ウンコ竹田」と表記する。

産経ニュース
https://www.sankei.com/article/20220921-EWHJX726CFKNFAZY2IRMBLEOEQ/

2000年以上続く伝統、などと言えば、
皇統問題についてよく知らない人なら
「伝統、それは大切だよね」
「それは守らないといけないよね」
と思うだろう。

あらためて言っておきたい。
男系での皇位継承は伝統ではない。
明治の皇室典範で定められたに過ぎず、
皇室の長い歴史から言えば「つい最近」の話。
では天皇が「天皇」として成立した頃は
どうだったかというと「双系」である。
明治から男系男子に決めたからといって、
過去もそうであったと思うのは早計だ。

したがって味噌汁ウンコ竹田のいう
「2000年以上続く伝統」は間違い。

百万歩譲って、明治からの規範、価値観を
伝統である、と強弁したとしよう。
では伝統とは何か。

美智子さまは、平成21年、皇室の伝統について
問われ、こうお答えになっている。

(天皇皇后両陛下御結婚満50年に際して)
伝統と共に生きるということは,時に大変なこと
でもありますが,伝統があるために,国や社会や家が,
どれだけ力強く,豊かになれているかということに
気付かされることがあります。
一方で型のみで残った伝統が,社会の進展を阻んだり,
伝統という名の下で,古い慣習が人々を苦しめていることもあり,
この言葉が安易に使われることは好ましく思いません。

また,伝統には表に現れる型と,内に秘められた心の部分とがあり,
その二つが共に継承されていることも,
片方だけで伝わってきていることもあると思います。
WBCで活躍した日本の選手たちは,鎧(よろい)も着ず,
切腹したり,ゴザルとか言ってはおられなかったけれど,
どの選手も,やはりどこか「さむらい」的で,
美しい強さをもって戦っておりました。

このお言葉をまっさらな気持ちで読めば、
何が伝統であるか、何をもって伝統とするか、
よくよく考えなければならないことがわかる。
古いものを厳密に守ることとは限らない。
ひたすら前例に従うこととも限らない。
そのありようは、上皇陛下が平成の時代に
身をもって提示されていると私は思う。

私たちの身近にも、きっとあるはずだ。
たとえば老舗旅館や老舗和菓子屋などは、
時代の変化に合わせていきながら守るところは守り、
今に続いているのではないだろうか。

皇室において言えば、
明治で明文化された男系男子という血統(型)を
原理主義的に守ろうとすると滅ぶ。
たとえ旧宮家の男系男子を養子に入れたところで
(これとて実現不可能だが)、聖域性は失われる。
それで万事OKだなんて、本当に天皇を戴く国の国民か?
WBCの野球選手が鎧を着ていないのと同様、
いまどき性別でなれる、なれないを決めるのも
あまりに時代錯誤。
これが本当に伝統などと言えるのか?
言っていいのか?

「男系男子継承が伝統」などとのたまう輩は
伝統が何かも考えたことがなく、尊皇心もない。
だから、天皇に女性がなることを
「ウンコの入った味噌汁が飲めますかっていう話ですよ」
などと下劣な発想をするのである。

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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