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笹幸恵
2022.11.17 13:17日々の出来事

「戦争」と「平和」の区切りについて

九州ゴー宣道場の質疑応答のときに
小林先生がおっしゃっていた戦争と平和の区切りについて、
私の脳内にふと浮かんだ福田恆存の言葉を紹介します。
平和とはどういう状態か、から始まり、
戦後の平和思想の「弱点」に言及しています。


『【福田恆存語録】日本への遺言』から

平和とは……戦争の事前と事後にある戦争の欠如状態、
即ち、戦争してゐないといふだけの事です。
要するに、単なる事実を示す消極的な意味に過ぎず、
何等かの価値を示す積極的な意味として使用し得ぬものであります。
少くとも過去においては、特殊な平和主義者以外の
大部分の人にとつてさういふものだつたのです。
詰り戦争さへ無ければ好いのであります。
が、戦争さへなければ好いといふ事は、
或る価値を生むのに都合の好い状態ではあつても、
その事自体を価値と見做す訳には行きません。
のみならず、或る幾つかの価値を生むのに都合が好くても、
それは必ずしも他の幾つかの価値を生むのに都合が好い状態を意味しません。
譬へば勇気や自己犠牲の様に戦争状態であつたはうが
生むのに都合が好い価値といふものも存在します。
しかし、だからといつて戦争自体を
価値と見做す訳には行きますまい。
尤も日本の平和思想の弱点は、
平和状態であつたはうが生むのに都合の好い価値といふ事についてすら、
一顧の考慮をも払はなかつた事にあります。
言ふまでもなく、平和は単なる事実や手段を示す消極的な意味ではなく、
それ自身直ちに価値や目的と成り得る積極的な意味として
通用してしまつたからです。


ちょっとややこしい文章かもしれませんが、
読解してください。
私たちが「平和」を口にするときに抱きやすい、
無意識のプラスのイメージを「弱点だ」と喝破しています。


笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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