ゴー宣DOJO

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笹幸恵
2023.2.16 08:40皇統問題

倉山・榊原の動画は無知をさらけ出していて恥ずかしい。

倉山の動画、今度は産経新聞の論説委員長を相手に
持論を展開している。
「皇位継承問題で陛下の大御心は示された」だって。

サイト「愛子天皇への道」に早速文字起こしが
アップされた(本当に助かります)。

【文字起こし】倉山榊原YouTube動画

毎度毎度、あほうな屁理屈で脱力感を覚える。
秋篠宮さまの立皇嗣の礼について、倉山は
こう述べている。

「もうこれ秋篠宮家に皇位が移るのは決まった話」

「天皇陛下の大御心で決まったということです」

何もわかっていない。
皇嗣というのは本来、皇位継承順位が1位であることを
指すに過ぎない。確定しているわけではない。
「決まった話」というなら、なぜ皇太弟とならなかったのか、
倉山サン、ちゃんと説明しないと。できないだろうけど。

「天皇の大御心」もそう。
勝手にそう思い込んじゃっているみたいだけど、
立皇嗣の礼は国事行為。
内閣の助言と承認が必要で、実質的な責任は内閣にある。
天皇が「立皇嗣の礼をやれ!」と言って
内閣にやらせたのではない。
日本国憲法下の天皇はかなり受け身だ。
「国政に関する権能を有しない」と定められているから、
政治的な発言はもちろん、上皇陛下はご自身の
退位のご希望さえ、きわめて注意深く言葉を選ばれた。
それ、わかってないの?
単に自分で都合よく思い込んで、
勝手に錦の御旗を立てようとしているだけ。
誠にタチが悪い。

そもそも立皇嗣の礼は、前代未聞の儀式ですが?
先例には一度もないのだけど、
それはスルーでいいんですかね!?


そして倉山、榊原ともに、令和3年の有識者会議の
報告書をほめている。
榊原は本当に論説委員か?
ちゃんと日本語を読めているか?
その文章を、きちんと現実に落とし込んで
理解できているか?
中途半端に「私たち頑張りました」としか
言っていない報告書など、報告書にも値しない。
産経新聞の論説委員はそんなこともわからんのか。


さらに、「門地による差別」に言及。

榊原:これは一目瞭然で先生のねご本にも書いてありますけれども、
今の上皇后陛下、皇后陛下、紀子妃殿下を見ればわかることで
この方たちはご結婚前は私たちと同じ民間人でありましたから
その方たちは結婚で皇族になられてますから、
これ憲法違反ですかってなってませんよねと。
ですから同じ話だと思いますね。

同じ話・・・?
もうバカに認定してもいいと思う。


倉山:と言ったら今度は結婚だけはいいんだって言うんですけど
いやそんなことを宍戸常寿東大法学部教授が急に憲法14条違反って
言ってたんですけど、宍戸さんの師匠の高橋さん以下4人組も
そのまた師匠の芦部さんも芦部さんの師匠の宮澤さんも、
芦部さんがやっと今みんな東大ですけど、
京大の佐藤さんも誰一人結婚なんて条件付けてなくて
天皇皇族は14条の例外ですと、
そもそも人権の例外ですって書いてあるのに
いきなり14条それ持ってきて結婚が条件だって。

うん。だからね。天皇皇族は14条の例外。
でもね、旧宮家の男系男子は皇族じゃないんですよ?
純然たる民間人。なんでここがわからないのかな?

しかも高橋、芦部、宮澤、佐藤・・・、
芦部が東大? 何の話だよ。
単なる「オレ詳しいぜ自慢」ね。
恥ずかしすぎる。

倉山は旧宮家は「日本国憲法下でも皇族だった」などと言っているけど、
これは八木秀次のパクリね。
施行されてからたったの5ヵ月間、これって
憲法が施行されてから臣籍降下するまでの
準備・移行期間と受け止めるのが普通だろう。
それにもかかわらず、八木は
「日本国憲法下でも皇族だった時期があるぞ!!」
と鬼の首を取ったかのようにはしゃぎ、
八木のY染色体論を批判している倉山は、
自分にとって都合がいいこの話だけは
ちょうどいいので持論に取り入れたまでのこと。
誠に浅はか。

ちなみに、占領下でなかったとしても、
大正9年の「皇族ノ降下ニ関スル施行準則」
によって、旧宮家は天皇との血縁が遠いため
皇族の身分を離れることになっていた。


バカが、バカを、おだてる動画である。

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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